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プログラム:1 《いつもと同じはずの登校》

「おはよっ♪雅之(まさゆき)!」

朝っぱらからハイテンションで、幼馴染の名前を呼ぶあたし、

坂浦奏(さかうらかなで)。ふっつ〜の家庭で育った、ふっつ〜の女子高生。


一つ縛りで活発(暴力的)な女らしい。

そういうなら、元気のあるいい子だといってほしいんだけどね。


まぁでも、運動はいい成績とってるけどね。


あ、勉強はダメです。

無理です。

馬鹿なんです。

すいません。


…ぶっちゃけますけど、今学期の期末、全部平均より下。

(おかげでお母さんの雷が落ちた。)


他はとくに普通の子と変わり無い。

だからつまんない、なんて思ったりする。



「おはよ。奏。」

雅之は素っ気無く手を振る。

こいつもつまんないやつだ。

無表情で思ってることがいまいちわかんなくて、面白くない。


でも頭は良いし、足も速い。

(ムカツクほど毒舌でもある。)



「昨日B組の女子に告られたんでしょ〜?」

アッハハ♪と笑って雅之の肩に手を乗せる。

雅之はこんなに無表情で面白みの無いやつなのに、なぜかモテる。


あたしも女子だけど、雅之がかっこいいなんて思ったこと、

一度も無い。

あたしの好みのタイプとはまったく違う。

雅之はあたしの手をゆっくりと外して

呟くように言った。



「そういえばそうだった。」

…これを昨日の子が聞いてたら泣くよなぁ…。

女心のわかんない男子生徒めっ!!

あたしは深いため息を吐く。


「ため息はやめてよ。空気が濁る。」

…おいこら。どういう意味で言ってる?


「B組の子のためのため息ですから。」

ヘッと笑ったあたしを無視して、

雅之はささっと前に進んでいた。



「はやっ!」

雅之は普段の歩く速さも速い。

アタシが普通に歩いてたら全然追いつけない。


「ちょっと!あたしの速さに合わせてよっ!疲れるでしょ!!」

早歩きで息を切らしながらあたしは言った。

そんなあたしとは正反対に、

ふっつ〜の顔をして雅之は言った。


「だったら着いて来なきゃいいじゃん。一人で歩いて来れば?」

ニヤッと笑う雅之。


…ック!!

この勝ち誇ったこいつの顔がうざったい!!



「万が一あたしが変質者に出会ったらどうすんの?!」

目をウルッとさせて演技してみたあたしに、

雅之はわざとか気にしていないのか

あたしに聞こえる声ですっぱり言う。


「変質者が可哀想になるね。」


「っるさい!!」

言われた瞬時に蹴りを一発雅之にかます。

雅之の腰に当たって、雅之は少しペースダウン!!

あたしの普段の歩く速さになった。


「本当のこと言っただけじゃん。いちいち蹴るなよ。」

腰をさすりながら歩く雅之に即答。


「女心のわからないあんたがそんなこと言っちゃいけないの!」

ふん!とそっぽを向いてあたしは頬を膨らます。


「別に分かりたくもないっt…「うっさいっつってんの!!」

もう一発蹴りを入れようか迷ったが、

パンチ一回で終わらせておいた。

(こういうときって、

漫画みたいに飛んでいったら面白いのに…って思うんだけどね。)


「痛いって!!」


「いちいち口答えすんなっ!」

アタシたちはよく夫婦のようだって言われる。

こんなやつと結婚なんかしたくないしっ!!


幼馴染なだけだバカァァ!!



『キーンコーン…』

チャイムが聞こえた。

あと少しで門が閉まる時間だ!!


「やばっ!!急ぐよっ!!」


「奏にいわれなくたって分かってる!!」



あたしたちはすばやく、走る態勢になって学校の門まで走っていった。



そのときに、

なんだか背筋がゾッとしたのを感じたけど、

気にもしなかった。






でも、

これがあたしたちの最初の警告だったんだ。




だって、

学校の中に入ったせいで



あたしたちはゲェムをすることになったんだもの。







悪魔の作った



この最高最悪の






自分の命をかけたゲェムを。







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