プログラム:14 《変わっても 親友ダヨネ…??》
「…小学生のころの話なんだけどさ。
春人は、誰とも話さなくて、いつも何かを探していたんだ。
だから、聞いたんだ。何を必死に探しているのか、って。
そしたら春人、友達とかくれんぼしているんだって言い出して。
正直頭が可笑しいのかなんて思った。でも春人は必死に聞いてきたんだ。」
―僕の親友を知らない?―
「そのときはなんかかわいそうになっちゃって、俺が親友になってやるよって言っちゃったんだ。
春人はそれがすごく嬉しいかのように顔を赤くしてさ、
ありがとう、なんて言ったんだ。
それからはずっと一緒だったよ、春人と。
俺も親友になれてよかったな、なんて思ってるし。
…でも最近になって…」
そこで雅之は息を詰まらせた。
なにかその続きを言いたくないようだった。
「…ううん。もういいよ。」
あたしは雅之の口に手を押し当てた。
真剣な眼差しで見たあたしに、
雅之は一瞬ポカンとして、そして吹き出すように笑った。
「…なんか奏、最初に会ったころの春人と似てる。」
ははっ、と笑う雅之に、
あたしは仕方なく苦笑して、そして蹴りを一発。
「なによ、あたしが暗い性格だって言うの〜?」
フフフ…と不気味に笑ったあたしに、雅之は
「違う違う、春人は明るかったよ。でも最近は暗くなっちゃって、
俺が理由を聞いても何でもないって言って教えてくれない。」
軽く微笑む雅之の顔を見て、なんだかあたしはズキッときた。
なんかの病気かな…。
嫌に痛い…