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プログラム:12 《サァ 隠レヨウ?》
「雅之は、何処に隠れるか決めたの?」
あたしの問いに、雅之は静かに首を横に振った。
「まだ。でも逃げなきゃ。」
…なんだ。
こいつなりになんか考えているのかと思った。
ちょっと期待はずれだ…って、
あたしは何考えているんだか…。
「じゃあ、あんまり人の来なさそうな所ってどこか知ってる?」
あたしは次の質問をした。
自分で考えろって思ってるかもしれないけど、
いまのあたしに何かを考えろって言われても
多分変なことしか思いつかない。
「…だったら…」
ハッとして雅之は呟いた。
そしてあたしの腕を掴んでいた手を
強く握りなおしてUターンした。
「えっ?!」
グイッと引っ張られて、転びそうになった。
(でも運動神経だけはいいから、みごと態勢を整えられました。)
「ど、どこいくの?!」
「少し黙ってて。」
今度の質問には、雅之は答えてはくれなくて、
ただあたしの腕を引っ張るだけだった。
雅之がこんなに頼もしく感じたのは
たぶん
今日がはじめてだと思う。
嗚呼…
酷い、酷い。
君は僕を裏切った。
隠れた僕を
探してくれなかった。
だから
今度は見ツケテ。
シンユウデショ??