朝
魔法もの?そんなの知りまs(ry
そっちの方は考えてたストーリーを書きにくかったから没にして別の方向で考えています。
こっちはいろいろと問題はあるものの結構ストーリーとか考えてあるので飽きない限りは書いていけると思います!たぶん!
―ピロリンピロリン♪
携帯が鳴っている。きっとアラームだろう。でも大丈夫。今日はいつもよりも30分早く携帯が鳴るようにセットしてあるから。ということはつまり……。
あと30分寝れる!
ということだ携帯君よ。30分後にまた起こしてくれたまえ。私は30分の二度寝を満喫しよう。
―ピロリンピロリン♪
すやすや
―ピロリンピロリン♪
……。
―ピロリンピロリン♪
……?
うぅ……。おかしい。たしかにセットしたアラームはいつもの時間とその30分前のはずなのに。しかたなく体を起こして携帯を開いてみる。なんとさっきまで鳴ってたのはメールを受信したからだったらしい。美咲ちゃんから何件かメールが来てる。
「ふあ~……。」
情けないあくびをしながら美咲ちゃんからのメールを確認してみた。
『あたし美咲。今私の家の玄関にいるの。』
『あたし美咲。今コンビニの前にいるの。』
『あたし美咲。今あなたの家の前にいるの。』
『あたし美咲。今あなたの部屋の前にいるの。』
「こわっ!」
メリーさん!?というか美咲ちゃん怖いよ!
って思ってるところにさらに携帯が鳴った。また美咲ちゃんからのメールみたいだ。恐る恐る開いてみると、
『あたし美咲。今あなたの後ろにいるの。』
そのあまりの恐怖で叫びそうになったその時、私の肩になにかが……。
「きゃああああああああああああああああああああ!!」
もう本気で泣きながらベッドの端っこまで逃げたよ!マジ泣きだよ!
私の肩に触れた何かを確かめるために振り返ってその正体を確かめたら、安堵とともにまた涙が出てきてちゃった。
「美咲ちゃあああああああああああん!!」
「ん、おはよう。」
「おはようじゃないよおおおおおおおお!!」
なんとそこにいたのは大親友の美咲ちゃんだったのだ。いや知ってたけど。メール送ったの美咲ちゃんだし。
「ど、どうしてうちにいるの……?」
まだ止まらない涙を拭きながら聞いてみると……
「たぶん30分前にセットしたアラームの音を聞いてもう30分寝れるって言いながら二度寝するだろうから、眠気覚まさせてあげるついでにちょっとおちゃめしてみた。」
「ちょっとどころじゃないよおおおおおおおお!超超ちょおおおおう怖かったよおおおおお!」
止まりかけてた涙がまた溢れ出してきた。というかさすが私の大親友!私の思考回路を完全に把握していらっしゃる!
「はるかが単純なだけだよ。」
心まで完璧に読んでらっしゃる!
「そんなことよりいつもより早く学校に行こうって言ったのは、はるかだよ?早く準備しよ?お母さんが朝ごはん作って待っててくれてたよ?」
「早く準備しよっていったいなんでこんなことになってると思ってるのおおおおお!」
「はるかが二度寝しようとしてたせい。」
「美咲ちゃんのせいで怖すぎて二度寝しちゃうところだったよ!」
「それは失神。」っていう美咲ちゃんからの突っ込みを受けながら急いで着替えてリビングに行って、朝食をとった。朝食をとってる時に美咲ちゃんが櫛を出して私の髪をとかしてくれた。美咲ちゃん優しい。ありがとう。だけど朝食とってる時にそれやるのってどうなの?動かないでって言われても動いちゃうよ。食べたいよ。
わたし小山内はるかと私の親友の大嶺美咲は先週、市立宝南高校に入学した。先週入学したということで今日は入学式というわけではなく、それじゃあどうしていつもよりも早くアラームをセットしていたのかというと……。
「もう、入学式からずっと遅刻ギリギリだから明日からはもう少し安全に早く家を出ようって言ったのははるかなんだからね?」
そう、なんと私たちは(主に私のせいで)いつも遅刻ギリギリだったのだ。しかもなんと昨日はついに遅刻してしまったのだ。これがもうちょっと遠い学校だったら毎日遅刻だったよ……。近くの学校に入れてほんとによかった……。しかし昨日ついに遅刻してしまったわけで、そこで美咲ちゃんからもうちょっと早く出るようにしようっていう提案があったのだ。うん、提案してきたんだ。私の携帯のパスワードを勝手に解除して勝手にアラームをセットしながら提案してきたんだ。どうして私のパスワードわかっちゃうんだろうか……。
しかしやっぱり朝の睡魔に抗うことが出来ず負けそうになっていたのだけれど……。
「うぅ……。でもあんなのずるいよ!もう心臓飛び出るかと思った!」
「二度寝したあんたが悪いんでしょ。」
お母さんになんか言われた……。
「そもそもお母さん、なんで美咲ちゃん家に入れたの?」
「まさか外であんたが起きて着替えて朝ご飯食べ終わるまで待っててもらうわけにはいかないじゃない。」
はい……。その通りです……。
「ねえねえ、はるか。早く行こうよ。私今日の学校楽しみでもう待ちきれないんだ。」
「あら、今日は学校で何かあるの?」
「はい。今日部活紹介があってそのあと体験入部があるんです。」
「あらあら、それじゃあもう入る部活は決めてるのね。」
「はい。」
美咲ちゃんの力強い返事。たしか美咲ちゃんは中学時代は部活やってなかったよね?それに普段あんまり自分からこれやりたいあれやりたいって言わない美咲ちゃんが待ちきれないとか……。おやおや?これはもしかして?
「おやおや?美咲ちゃん、もしかしてこれかい?美咲ちゃん、もっとレベルの高い高校狙えたのに宝南にした理由もこれかい?」
小指を立てながら聞いてみる。我ながらオヤジくさい。
「ううん。そんなんじゃないの。私の憧れの先輩がいるってだけ。」
「ほうほう。」
ほんっとに我ながらオヤジくさい。
「はるかも同じ部活入ったら紹介してあげるね。」
「そういう話もいいけどあんたたち、もうそろそろ出なくていいのかい?」
お母さんに言われて気づく。気が付けばもう8時10分。あれ?アラームって7時半にセットしてたんじゃなかったっけ?もう起きてから40分もたったの?
「携帯のアラームなってたわよ?それでもあんたが起きない間に美咲ちゃんが迎えに来てくれたんじゃない。」
おぉ……。そうだったのか……。って感心してる場合じゃない!
「わあああああ!急がなきゃ急がなきゃ!お母さんごちそうさま!いってきます!」
「いってきます。」
「はいはい、いってらっしゃい。」
あわただしく二人急ぎ足で家を出た。ホームルームのチャイムが8時20分だから10分で学校に着かなきゃいけない。結局家から走って間に合うかどうかかぁ……。
学校へ向かう途中、あの美咲ちゃんが入りたいという部活、どうしても気になったから聞いてみた。
「ねえねえ、美咲ちゃんの入りたい部活って何部なの?」
実は私はまだ入る部活を決めてないから、美咲ちゃんがそんなに入りたい部活なら私も入ってみようかなって考えてみてたりする。
「えっと……。」
ちょっと溜めてから出た答えにちょっとキョトンとした。え?そんな部活あるの?っていう答えが返ってきたからだ。
「『数学部』だよ。」
メリーさんのところで家に誰もいないはずなのに後ろにすっごい気配があったのですけど、怖くて振り向けませんでした。。ほんとに怖がらせるのやめて。。