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蒼天英雄  作者: 小波
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第七話

 赫鉄手は一瞬驚いた表情を見せたがすぐに不敵な顔に戻った。

 静かに壁に立て掛けてある刀を掴む。

 次の瞬間小単は落ちている鉈を掴むと信じられない程の跳躍で飛びかかった。

 きん、という鈍い金属音とともに彼の鉈は真っ二つになった。

 一閃。

 赫鉄手の刀は小単の眉間を狙う。

 飛びかかったときと同じ跳躍力で小単は後ろに飛んだ。

 はらりと一房の髪の毛が落ちた。

 赫は心中ほくそ笑んだ。先方にこれで武器は何もない。

 しかし。

 どこからともなく唸りを上げて何かが飛来した。

 小単ははっしとそれを受け止める。

 持ち手、刃渡り、鎖、共に異様に長い鎖鎌。

「お使い下されっ」

 支那服がまったく似合っていない禿頭で髭面の巨漢だった。

「すまん」

 そう答え、小単は柄を横銜えにした。

 この感触、重み、すべてが懐かしい。

 左手の鎖は唸り声を上げはじめる。きゅっと口角がつりあがった。

 この目つき。これがあの気弱な小単か。

 聖花は茫然とこの光景を見ていた。

 分銅の回転は落ち葉をも舞上げ、青年の体から発せられる闘気とも殺気ともつかぬものが辺りを覆う。

 流星飛翔。

 何かが己をかすめたと思った時、頭部はザクロの如く破裂したのだった。

 ことごとく倒れ伏した部下を見やり赫鉄手は蒼白になった。

 光華一閃。

 大蛇の如き鎖は鮮やかな光沢を放ち彼の刀身に噛みついた。

 ぎりりと不気味な軋みを上げ刀は手から奪い取られた。

 隻腕にしてこの膂力怖ろしい。

 叫び声をほとばしらせ逃げ行こうとした時、先程の魔神としか思えぬほどの跳躍力で小単は赫鉄手の懐へ飛び込んだ。

 首を思いきり捻り、彼の横腹をその鋭利な鎌で切り裂いた。

「愚かな」

 内臓をぶちまけた死体を見下ろし呟いた言葉は、聞き慣れぬどこか異国の言葉であった。


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