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迷宮開拓傍観記  作者: ?
3/3

日記2

羞恥心で焼けそうです。焼けませんが。


ようやく少しずつ進もうかとゆうところでまた振り出しです。故ご主人様が優秀であればあっただけにくるものがあったのでしょう。おかしなことになっていたようです。


自身に向けた削除・改竄・偽装・改造等の行動は私の禁則事項にあたり、私はこれらの行動が出来ないのです。完璧?な私は誤報もできません。ありのままを記録しないといけないのです。


ああ、作成物主よお恨み申し上げます。


それにしても感情とは厄介なものです。対象との円滑なコミュニケーションの為に備わっているのですが、たまに私の制御を離れてしまいますのです。なぜでしょう?メンテナンスフリーの高性能な私とはいえ活動期間が期間。どこかおかしくなっているのでしょうか?


それはそうと、新ご主人様はまだしばらく起きない様子。私は起きるまで散らかってしまった迷宮の掃除をすることにしました。


今の体でこの広い迷宮を私だけで綺麗にするにはとても時間がかかるでしょが、起きるまでする事がない私にはちょうどいいのかもしれません。


それにしても見る影もありません。


勇壮であった戦力は残らず灰となり、その手その身に鈍色輝いておりました武具は残らず持ち去られておりました。


また過去の異物の戦利品も全くなく、倉庫は空っぽです。その他いろいろ残らず持って行かれたようです。きもちいいくらい綺麗さっぱりです。


私とともにあった過去の思い出深い御主人様方の遺品が無事だったのが唯一の救いでしょうか?


そんな事を考えつつ掃除を終えましたら、私はある異変に襲われておりました。


正確には迷宮がある地域一帯が異変に襲われており、迷宮自体は平和でした。なんの用途かわかりませんがたまに迷宮の建材を切り出しに人が来るくらいです。


やめて欲しいものです。いえ修復はポチとするだけなのですが。


話がそれました。


異変とは迷宮周辺の土地が気づいたら荒廃しておりました。木々が枯れ川は筋に、私のお気にいりでした花畑はただの茶色の広場です。


私が掃除をしているほんの数年の出来事です。遠くに見慣れる建築物が幾つも。原因は多分これではないかと。どんどん建造されております。


しかし、私に何か実害があるわけでもないので気にしません。花畑は惜しいですが、それより困ったことが私にはあるのです。


新御主人様が一向に起きません。たまにうなされているので起きそうなのですが・・・。


そうこうするうちに掃除も終わり、することがなくなった私はもう少しで起きそうな新御主人様起こしてみることにしました。


まず、おはようございますと言いながら揺すってみました。数年。


休む必要のない私にとっては容易いことです。ですが一向に起きません。


らちがあかないため次の手段を取ることに。そのために私はあるアイテムを用意いたしました。


私専用の割る・砕く・すり潰すと様々な調合補助に活躍したお・・・姉ちゃん手製の・・・ハンマー?の出番。新御主人様を掘りおこすのにも一役かった一品です。


さらに、このハンマー過去幾人かのご主人様の手により改造を施されヘッドチェンジすることで様々な機能を発揮します。


今回選ぶのは私が扱いやすいよう軽く、叩くと邪気を祓い魔を退ける神音を発する黄色いハンマーです。ピコっと音がなります。ピコと。音を聴くと異物が逃げて行きますので自衛手段の乏しい私は重宝しております。


そして、故ご主人様も逃げて行きました。なんでも不快な音だそうです。


そう不快な音!同じアンデットの新ご主人様もこの音を聴かせれば不快感から起きるかもしれません。そうです、そうしてみましょう。ちゃんと聴こえるよう頭に狙いを定めましょう。


またおかしくなっていたのでしょう名案とばかりにノリノリで。


おはようございますと振り下ろした瞬間。


う~ん~・・・眩しくな・・・      クシャリ



・・

・・・

つ、つぶれた~~~~ああぁぁ


し、しかたありません。今しばらく安らかに「お休みなさい」私の愛しきご主人様。


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