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迷宮開拓傍観記  作者: ?
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日記1

第四階層の開放準備が順調に進んでいるらしい。私は目的の為に様々なご主人達に使えてきたがここ千余年の内一番の進歩だ。

思い返せば本当に様々な方々がいました。


自分でもないわーと思いつつ仕えたゴブリン。驚異の繁殖力によって第一階層を開放したときは驚いたものです。生物の本能かなにかなのか、食べれないものと生殖機能をもたないものに興味があまりない彼らはこの上なく私にとって安全な方々でした。陽気な彼らが開放時ほぼ全滅しその後寿命で死んだのは残念でした。


配下をほとんど持たず自分の肉体だけで第二階層の異物を駆逐し開放してしまった巨人の英雄。仕えていたわけではありませんが。私に気づいてくれなかったのだ・・・。 


私のメイン筐体をひらすら口説きつづけた吸血種の青年。コイツほんと何にもしなかった・・・役立たずを追い出せないのが口惜しかった。冒険者にやられたときは恥ずかしながら思わず喜んでしまった。


ここだけに生息する多種多様な異物を観察するために来た生物学者。私に名前をつけてくれて可愛がってくれました。おじいちゃん・・・ホロリ。


私のライブラリイに何故か記録されている多種多様な物語に登場する魔女ぽいお姉さん。お姉さんとお呼びが定番の薬師の方でした。この時ばかりは階層の開放戦力集めを邪魔するにっくき冒険者はお客様。ぼったくりが上手いので大変繁盛しました。おばあちゃん・・・ホロリ。いえお姉ちゃん?


まあ簡単に検索できる方々はこのあたりの方々。一部削除したいものの各々いい方々でした。

そして、第三階層を開放した今のご主人様。この方は大変いい方なのですが、アンデット種。


恥ずかしながらお仕えする前は、私も一般常識として不死者に連なる方々を毛嫌いしていましたが仕えてみると主人としてはなかなか。ご主人様ご自身もかなりの強さですが、知能の高さも満足です。

元は人間種なので知能が高いのは当然なのですが。


とにかく、冒険者の撃退や戦力の充実、異物の画期的な駆除方法など私のライブラリイがかなり充実しました。

そして、もっともいい点は、死なないことです。元から死んでいるので、もう死ぬことはありません半永久的に不死身なのです。過去のどんな優秀方や強いご主人様も寿命には叶わなかったのです。

これでもう寂しくなることはありません。


私は目標のためにコレからも数千年数万年活動し続けねばなりません。ですので、ともにあり続けることのできるご主人様は貴重なのです。これはいい拾い物でした。当初はこんな汚い骨役に立つのかとダメもとでしたが思ってすみません。


先程も、かなり優秀な冒険者の一団が複数。それを支援するかなりの数の兵士達。もはや侵入ではなく侵略と呼べる規模で戦力に響くとゆうことで出て行きましたが、その際


「今度のやからはなかなか手ごわいようだそれに数も多い、私が行って下僕に加えてくる。お前は危ないから隠れていろ。喜べこれだけの数だ、まとめてものにできればいよいよ下層に進むことが出来るだろう。我らが悲願達成までの長い道のりがまた一歩縮まる。」


そう言って出て行きました。私の場合悲願と言うより使命からの開放としての意味合いが強いのですが、そこは言わないほうがよさそうなので合わせています。何度かおもいましたが良い方です。私の目的を知りいつ終わるとも知れぬこの地の開放に協力してくれるのだから。

私のライブラリイによれば、アンデットは存在するだけで世界を犯す毒を発するらしいのですがこれだけの数がいてそういった毒素は感知できないためデマなのでしょうか?


さて、今回は過去類を見ない規模での侵入の様ですしここも危ないかもしれません。ご主人様に言われたように隠れているべきでしょう。規模が規模です時間もかかることでしょし、ちょうどいいので過去のご主人様方の思い出の品を久しぶりにゆっくり見るとしましょう。




そうして、一週間ほど過去の思い出に浸っているうちにご主人様は倒され、階層開放の為の戦力ものこらず駆逐されており、私はきずいたらまた一人になってしまいました。

いいえ、瓦礫にうもれた死体が1つ。どういった経緯なのかわかりませんがアンデット化の兆候が見受けられました。

仕方がありません、また1から始めましょう。ええ、何時ものことです。そして、ちょうどいい物が目の前に。

ああ、ともに頑張りましょう。新たな愛しき御主人様。




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