8章12話『機械の真なる力』
シヴァ・バスレイヤは機械工学に長けた研究者だ。レンラやディオルー、そしてアスクムを閉じ込めた『八面結界』を作ったのも彼だし、異能を使えるアンドロイドであるコヨル・テミンスを設計して製作したのも彼である。そして今、シヴァ・バスレイヤが載っている機体、それはアインシュタット。
シヴァ・バスレイヤが設計した中でも、"失敗作"と呼ぶべき機体である。
武器や破壊兵器をふんだんに詰め込めるだけ、いや詰め込むように設計し、そしてその全てを120%まで使えるようにした機体。そしてその機体に詰め込まれている演算装置の全てを駆使してでも、それを動かすだけの演算を終えられない。故にいかなる状況であろうとも、この機体を動かすだけの演算処理能力を持たない搭乗者じゃないと、動かせない。
誰にでも扱えるように作られてはいない、シヴァ・バスレイヤでしか扱えないような失敗作の機体である。
『喰らって見ろ、ボンバーミサイル!』
シヴァはそう言って、その機体から巨大ミサイルを放つ。巨大ミサイルは先端に大きな爆弾を付けたまま、敵であるレンラ達へと発射されていた。
「っ……!」
僕はそれを剣から放った炎で攻撃でミサイルを壊していた。しかし、それでもなおシヴァ・バスレイヤは沢山のミサイルを発射して攻撃する。
ディオルーやメンルリ、アトアグニさんも同じようにそのミサイルを撃ち落とす。アスクムは撃ち落とす事はせずに、ただただ避けながらその攻撃を避けていた。ミサイルが効かなかった事を認識した彼は、次の攻撃に切り替える。
『光の弓矢、グングニル!』
大層な事を言っているが、やっている事はただの腕から出した穴からレーザーを発射しているだけだ。しかし、レーザーは曲者だ。僕の剣で防ごうにも、レーザーであるために剣で防ぐ事が出来ないので僕は後退する。アトアグニも同様である。ディオルーとメンルリは魔法で防いでいるので、レーザーを防いでいる。決定打にならない事に気付いた彼は、フフフと言う変な声をあげる。
『魔法使いが居るのか……。ならば、この機械の真の力を見せつける時が遂に来たようだ』
そう言って、シヴァの乗るアインシュタットの機体は赤色へと変貌を遂げていた。




