8章11話『その名はアインシュタット』
「いやー、君達は運が良い。『どんぐりの会』の中でも武闘派の私、ガイオン・ダラムアトルを倒すだなんて」
「それに私まで♪ あぁ、本当は攻められるより、攻める方が得意なんだけどね」
縛り上げられた『どんぐりの会』のガイオンとクナピトはそう言いながら。自分達を倒したレンラ達を見ていた。
アトアグニ、そしてメンルリの2人によって『八面結界』から解放されたレンラ、アスクム、ディオルーの3人。こうしてヤヤを救いに来たメンバー達は全員再び集結した。
残っている『どんぐりの会』のメンバーは、です・ます口調で無理矢理喋らせる異能、『誤字脱字』のシヴァ・バスレイヤ。そして見た物を忘れずに居てそしてそれを完璧に再生する異能、『録画再生』のアサセノス・ナハルーパ。『どんぐりの会』のメンバーの6人中、既に4人を倒している5人の眼には、既にヤヤを救い出して無事に学校へと帰る姿が映し出されていた。なにせ、シヴァは魔法使いに対してその異能を使って魔法を禁ずる能力しか持たず、そしてアサセノス自身もそんなに強いとは思っていなかった。ヤヤを取り返すのも時間の問題だと思っていた。
「まぁ、後はガイオンとアサセノスをなんとかすれば終わりだな」
と、レンラが言うとアトアグニとアスクムが返事を返す。
「……ここまで来たら、後はそのまま」
「だね。早く倒して、ヤヤちゃんを取り返して倒そうじゃないか」
そう言いながら、『背倉辺総合株式会社』へと向かうレンラ達一行。とそこで、ディオルーとメンルリの2人はその会社を見合わせる。
「……どうやら、そう簡単にはいかないみたいよ?」
「ボクもそう思うよ」
2人がそう言うと、残りの3人も気合を入れる。もう既に彼らの次の戦いは始まっているのだから。
『-――――閃光の煌めきは、全ての闇から生まれし我らの敵をせん滅せし! 我らの黒き機械が敵を倒す!』
『背倉辺総合株式会社』の屋上から謎の黒いメカが現れた。
全長は5mほど、腕にはカッターナイフのような鋭利な刃が取り付けられており、無駄にカッコいいビジュアルをした黒い人型兵器。
『さぁ、敵をせん滅し、世界を再び何も変わらない闇へと戻す我らが希望! その名はアインシュタット。かの神話大戦時に使われた、あの伝説の兵器である』
降り立ったそのメカのコックピットには、シヴァさんの姿があった。




