8章10話「信じる」
――――――アトアグニ・メンルリ組――――――――
クナピト・モナザが語った、『互いが互いを信用していない』と言う言葉。それは真実だった。
お互いにお互いを、『パートナー』とは見ているが正しく、お互いを100%信用している訳ではなかった。あくまでも共闘関係、その程度にしかお互いを見ていなかった。
アトアグニは弓矢を放つ者として、メンルリを気にせずに弓矢を使えばクナピトだってもっと簡単に倒せる。メンルリも最上級魔法をアトアグニに関係無くただ放てば、もっとクナピトだって簡単に倒せるようになる。けれども出来ないのは――――――お互いの事を気にしているからだ。
傷ついたらどうしよう。当たったらどうすれば良い? そう言った思いばかりが2人の頭の中をかけ巡っており、お互いの実力を半減させていた。
お互いの実力を100%出しきっていれば簡単に倒せるような相手であるが、お互いを気にしまくってお互いに実力の半分も出しきっていない状態なので、倒す事が出来なかったのだ。
(どうしましょう……。ボクだけならば軽いんだけど……)
メンルリがそう考えていると、急に頭の中に声が割り込んでくる。
(……メンルリ。聞こえる?)
その声はアトアグニの声だった。
(アトアグニ……さん? これは魔法かい?)
(……魔法じゃない。ただのエルフの技術。特定の相手に風に声を運んでもらう)
(それは確かに凄い技術だよ)
(……今のままだとダメ。だから全力を出す)
その言葉を聞いて、アトアグニは(本気?)と返していた。
(……私は相手を倒す。その事に全力を尽くす。――――――だから……あなたが避ける事を信じる)
(ハハハ……)とメンルリは笑っていた。
(それもまた、"信じる"と言う事ですね。じゃあ、ボクもまたボクの最高呪文でクナピトを倒して見せる。そしてボクもまた、君が避ける事を信じるよ)
(じゃあ……やろうか)
そう言って、アトアグニは弓矢を構えて、弓矢を白い光で包んでいた。そしてメンルリもまた自身の頭上に極大な魔方陣を作り出していた。
「へぇ……凄そうだ。だけど戦ってあげるよ」
クナピトはそう言って、槍を振るって向かって行く。
「―――――アトアグニ、必殺、火炎魔弓!」
「上級魔術、ライトビーム!」
アトアグニとメンルリの2人は、そう言って自身の持つ最大級の攻撃を放つ。そして2人の最大級の攻撃は、クナピトは2人の攻撃に倒されてしまっていた。
クナピトは倒されて、地面に倒れる。
「ハハハ……。残念ね、コスプレは是非ともさせたかったんだけど」
彼女はそう言って、残念そうな顔で倒れるのであった。
「……後は先に向かった3人を助け出せば完璧ね」
「そうね。特にこれが怪しいよ」
メンルリはそう言って、アトアグニ見せた物。それは3人がガイオンと共に囚われている『八面結界』だった。




