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魔剣使いとハーレムと  作者: アッキ@瓶の蓋。
第7章 冬の『どんぐりの会』

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7章6話「死ぬ事になった」

「―――――――と言う訳で、ヤヤ・ヒュプオン君。君には今から死ぬ事になった」



 悪びれもせず、悦びもせず、まるでそれが当然のことのように『どんぐりの会』のリーダー、アサセノス・ナハルーパは(ヤヤ)にそう言ってきました。



「えっ……?」



 私は訳が分かりません。いきなり気が付いたら誘拐された後で、そして誘拐されたと思ったらその場に居る『どんぐりの会』のメンバーが親しげに話しているのを見て、ゆっくりしていたと思っていたら、アサセノス・ナハルーパさんがそんな事を言って来たのですから。こんないきなりの予想外の曇天返しを3回も行われていて、私はもはや半ば混乱状態だった。



「コヨル、やっちゃって」



「……ピピ。嫌です。私はその命令を拒絶します」



 コヨルさんは無表情ながらも、明らかに嫌そうな感じに手を前に向けて拒絶のポーズを取っている。

 きっと彼女は女優の才能があるんだろうな、と軽く思っていた。



「貴様! 機械玩具(ロボット)人間(神に選ばれし者)達に服従(屈服)するのが当然である! それにも関わらず、生気を持つ我々の命に逆らおうと言うのならば、如何様にも……」



「……ピピ。私はロボットではありません。アンドロイドです。

 機械を(ベース)に作られた人間を模した玩具(ドール)ではなく、人間の不備な部分を機械で補った自律人形(ヒト)であります。故に私は私を救ってくれたアサセノスさんや、私の身体を調節(チューニング)してくれたシヴァ博士、その他仲間であるガイオンさん、クナピトさんやシワコさんなどに恩義を感じて従ってはいますが、私にも意思はあります。

 肯定(イエス)拒絶(ノー)と言った行動が私は出来るのです」



「アンドロイド?」



 そう言えば、コヨルさんは何だか機械染みた身体だったから、てっきりロボットか何かだと思っていたんですが、アンドロイドだったんですね。浅学な私はさっきのロボットとアンドロイドの違いが良く分かりませんが……。



「あぁ、良いよ。シヴァ。彼女のそう言った行動を取るかもと言う可能性はあったから」



「し、しかしだな、我が同志! わしなら良いが、お前は我々の暫定的だが長なのだぞ! 少しは威厳を見せんと配下の者共が右往左往してしまうであろうが!」



「良いんだよ、シヴァ。僕としてもただただ唯々諾々(いいだくだく)と命令に従ってくれる従順系ロボットも良いけど、自らの意思で協力してくれる系のロボットも好きだからさ。

 それにリーダーとして威厳があった方が良いと言うけど、少しは意見も出してくれないとこちらが困る。だからこそこの前の変な呼称名詞を付けるのは止めたんだし」



 そう言うとそれぞれ武器の手入れや休憩などで寛いでいたお仲間さん達が



「「「「「あれは禁止!」」」」」



 と息を揃えて言っていた。良く分からないけどそれほど嫌だったらしい。



「まぁ、そんな感じさ。僕はリーダーに成りたくてここに居る訳じゃないしね。

 ガイオン、それからクナピトの2人はこのビルに近付こうとしている人間が居たら適当にけん制する為に、外で見張ってくれない?」



「「了解した」」



 ガイオンさんと名乗っていた男の人はソファーでだらんと寛ぎながらサイコロを振るっていていましたが、彼の声がかかると共にシャッキとした様子で立ち上がり、扉へと歩いて行きます。同じく女性なのにも関わらず成人女性向けの雑誌を読んでいたクナピトさんと言う女性も本をテーブルの上に置いてガイオンさんと共に扉から出て行きました。



「シワコとコヨルの2人は迎撃を頼むよ。少なくとも2、3週間くらいはこの『背倉辺(せくらべ)株式会社』の2階には立ち寄らせないで。あ、後被害が出るなら出来る限り少なくしてね。

 このビルのオーナー、壁の落書きやら床の(へこ)みやらを作った場合は自費で直すよう言うからね。借りている方からしたらそう言った出費を出来る限り抑える方が良くないかい?」



「そうですね……。私としたら桃色の壁紙や花のじゅうたんなんかをしたいんで、出来る限り出費は押さえないと! 行くよ、コヨルちゃん!」



「……ププ。スイーツ(笑)」



「ちょっとコヨルちゃん! いつものピピじゃなくて、それは本当に馬鹿にした笑いだよね!? 『ピピ』じゃないよね、『ププ』だもんね!?」



 何だか楽しそうな2人組、シワコさんとコヨルさんは扉を開けて外へ出て行ってしまいました。けどさっきのガイオンさんとクナピトさんよりも足音の時間が短かったので、恐らく外には出てないんでしょう。



「わしはどうすれば良い? 言っておくが仕事なしと言う考えは無しだ! 全ての者は万全なる仕事(ミッション)を帯びる権利を持つべきだろう!」



「あぁ、分かってるさ。じゃあ、シヴァ君は僕と一緒に仕事をしてくれる? 彼女を今から殺すからさ」



「……!」



 しまった! 忘れてました! あまりにも綺麗に仕事をするから忘れていましたから、彼らは私を今から殺そうとしているんでした!?



(今までだったら到底、今の杖も何もない状況での初級呪文なんてけん制にもならなかったはずだけど今なら、『泉水(せんすい)』と『エナジー・リキッド』で魔力の上がった今ならばそれなりのけん制に……)



 私はそう思い、呪文を唱え始めます。



「炎の球よです、目の前の敵を倒すです。……!」



 言葉が可笑しいです! あまりにも変です! これじゃあ魔法が使えないです! もしやこれは……!



「ふはははは! わしの異能、『誤字脱字(エラーライター)』の味はどうかの?」



「……!」



 忘れていたです! (シヴァさん)には魔法を封じる異能を持っていたと言う事をです!



「ナイス、シヴァ。それで良いんだよ。……さて、お嬢さん。もうそろそろおいたは止めて、さっさと死んでもらいましょうか」



「死と言うのはどう言う経験なのか、わしはとても興味深い。じっくりと観察して貰おう! ふははははは!」



 そして私は手刀か何かで首を叩かれ、気絶させられてしまった。

次回、【7章7話「調べた結果」】です。4月11日の0時投稿予定です。出来ればで良いですが、お気に入り登録してください。お願いします。

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