6章完話「「ま、マジですか!?」」
「はぁー。疲れたわ。と、私は思うのだけど」
「私も同意しておきます」
保健室にて保険医ならぬヒーラーによって回復を施された2人は、まだ校内に残っていた。
既に戦いに使用していたグラウンドは修復されて既に何名もの生徒がグラウンドで焚火を囲んでフォークダンスとしゃれこんでいた。彼女達はそんな中、2人で校内を歩いていた。
「……クロノウスさんがここに来いと言っていましたが、いったいどの教室でしょう? と、私は思うのだけど」
「『校内のどこかの教室』、では分からない物がありますからね」
校内、と言っても広い。
今の時間、ほとんどの生徒がフォークダンスやら恋人たちの営みやら、他諸々やらで校内に人はほとんどいない。そんな中、クロノウスが居る教室は多分明かり確保のために電気を付けている。電気を付けているのを見て入れば良いので2人はそう時間はかからずに、クロノウスの所に行けると思っていたが、甘かった。
クロノウスは明かりを付けていなかった。だからこうしてこつこつと探すしかない。既に10や20以上の教室は見たがクロノウスは居ない。
そして、ようやく34個目にしてようやくクロノウスを発見した。
「やぁ、ようやく来たか。2人とも」
彼の目の前には大きな美味しそうな鍋があった。白い鍋。とても美味しそうな鍋である。
「「それは?」」
「あぁ、これかい? これは『ヤンソンさんの誘惑』って言う、とっても美味しい鍋だよ。2人に食べさせたくてね」
「「ま、マジですか!?」」
2人は驚いていた。
クロノウスが自分達のために何かをあげた事は無い。だからこそ驚く。
(な、何かしたんですか? ビッチビジョップ?)
(い、いえ知りませんよ? 怪力女王?)
「いやー、実はさ……」
と、クロノウスは何とも不本意な顔をする。
「『どんぐりの会』のアサセノスさんが、さ。命令したんだ。
『『どんぐりの会』に入りたければ自分を手伝ってくれている人に恩返ししてあげよう。そうだな、食事を振る舞いたまえ』ってね。だから君達にこうやって、僕が食事を与えてるんだよ」
へぇー、と2人は顔を見渡す。そして2人揃って顔を見合わせる。そして2人揃って溜め息を吐く。
「ど、どうしたんだい? 2人とも? もしかして嫌いだった?」
「「いいえ、美味しそうです」」
2人が思っていたのは、どうせならば自分からそう考えて欲しかったと言う事である。他人からの事では無く、自らそう思って欲しかったと言う事である。
「ならば、食べようよ。クイーン。それにビジョップ」
「うん。食べましょうか。と、私は思うのだけど」
「はい。食べましょう」
誰も居ないような学校で、『三発の雷』は仲良く食事をするのであった。
次回から第7章に突入します。
今度は冬です。そして『どんぐりの会』です。
6章まで読んでいただき、ありがとうございます。
では、次回、【7章1話 「やっぱり若いって良いわね』】を2月28日の0時に投稿予定です。
これからもよろしくお願いします。




