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魔剣使いとハーレムと  作者: アッキ@瓶の蓋。
第6章 怪力女王と技術塔と義手男

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6章U3話「どんな物にも長所と短所がある!」

【クロノウス・ウルカニア編】

「万物にはそれぞれ長所と短所がある。この僕様の義手もそうだ。この義手は確かに使い勝手が良いが、その分戦闘用に作られてはいない故に攻撃力に欠ける。

 そして君のウナ・フィアマの魔装、サラマンダ―の肌も同様だ。その魔装は長所としてその肌に受ける傷を即座に炎で焼いて再生すると言う回復力が売りだ」



 そう言いながら、クロノウスは自身の義手に雷を纏わせる。そしてその義手を何のためらいも無く、僕の身体へ突き刺した。(ほとばし)る電流はすぐさま僕の身体をぐるぐると渦巻く。そして雷は僕の体内をめちゃめちゃに攻撃する。



「かはっ!」



 迸る電流によって上へ上へと押し上げられた血は、行き場を失いそして口から吐き出される。それと共に中から激しい激痛。



「短所としては、内傷に弱いって事かな。サラマンダ―もどうやら内傷は弱いみたいだし」



 クロノウスの腕を突き刺した際に出来た傷は、既にサラマンダ―の肌によって回復しどこを攻撃したのか分からないくらいにまで回復している。だがしかし、身体の内部は回復しないでぼろぼろのままだ。

 流石、クロノウス。僕の魔剣の元所有者。長所や短所は既に理解済みという訳か……。




「クロノウス君! この! フレアインパクト!」



 ヤヤはそう言って、自らの手の上に炎の塊を作り出す。炎の塊からは火炎流があちらこちらへと飛び出しながらも元の場所へと戻っている。とても熱そうな、溶岩の塊のようなその球を、ヤヤはクロノウスめがけて飛ばす。



「通電」



 クロノウスは自身の右の義手をその溶岩の塊へと出す。そして溶岩の塊はぶつかる。溶岩の塊は炎の衝撃を義手に与える。しかしその義手はどこにも凹んではいなかった。



「雷を通して義手の硬さを硬くしたのさ。どこにでもある、手品のような手だけれども、まぁ、良い。残念だったね、ヤヤちゃん。君程度の魔法じゃあ彼を助ける事は出来ないよ!」



「……ッ!」



 ヤヤはそう言って溶岩の塊を再び作り出す。今度は1つや2つどころの話では無く、沢山の溶岩の塊を彼女は作り出す。



「ボルケーノアタック!」



 そして彼女はクロノウスめがけて放つ。両腕の義手だけじゃあとても防ぎきる事が出来ないような、そんな多すぎる溶岩の塊を見て、クロノウスはニヤリと笑う。



「残念だけれども僕様は全ての雷魔法を使える。

 故にこんな攻撃(ピンチ)、訳ないぜ」



 クロノウスは足に魔力を溜め、その魔力を溜めた足で地面を蹴る。蹴ると共に魔力は地面を伝って行き、地面は盛り上がりクロノウスの前には雷を纏った盾が現れる。

 そしてその盾はヤヤが放った溶岩の塊を全て受けきっていた。



「残念だったね」



「いや、ヤヤ。ありがとう!」



 僕はそう言ってクロノウスの両腕の義手を斬り落とす。



「おろ……?」



 クロノウスは慌てて僕の方を見る。僕はウナ・フィアマではなく、別の刀を持っていた。

 渦巻くような風の模様が入った薙刀。僕の5本あるうちの、クロノウスが持っていた5本のうちの1本。




「4の太刀、ツービネ。一次開放」



 僕の瞳は赤から緑色へと変わっており、両足は駿馬(しゅんば)である白き翼で天を舞うペガサスの両足へと変わっていた。



「風の太刀、ツービネ。その短所は攻撃力の低さ。このツービネはこの長さに対して攻撃力が弱い。恐らく同じ長さの薙刀があればこの武器がどれほど攻撃力が低いか分かるだろう。それくらい攻撃力が低い。だけれども、どんな物にも長所と短所がある!」



 元所有者のクロノウスならばその事は重々知っているだろう。そう、この薙刀(ツービネ)の長所は!



「……攻撃回数の多さと、ペガサスの両脚の素早さ、か。僕様、油断したよ」



 そう。

 確かにこのツービネは攻撃力が低い。だけれどもこの武器はその長さに反して、軽く振りやすい。故に普通の剣で1回攻撃できるのに対し、このツービネだと攻撃回数は20回はくだらない。そしてペガサスの両脚から放たれる脚力は、容易に常人の目では捕らえきれないほど素早い。



 この2つを利用して、僕はペガサスの両脚で地面を蹴って一瞬のうちに(クロノウス)に肉薄して彼の両腕代わりの義手を斬り落としたのだ。




「さぁ、これで決着はついた。両腕が無い今、お前に勝ち目はない」



「そうだね。口で噛んで『一期一振』を振り回すには『一期一振』は重すぎるし、君と彼女の勝負に雷魔法だけでは心許ない。故に僕様は……両腕を(・・・)作り出す(・・・・)事にするよ(・・・・・)




 そう言うクロノウスの両肩からは、びりびりとした雷で作られた両腕が、それぞれ片手で”2つ”の『一期一振』を持っていた。



「雷影魔法、サンダーアーム。その効果は他の魔法を使えなくする代わりに雷の腕を作り出す事。

 そして僕様の異能、『贋作作成(ダミーフェイク)』。その異能の効果は自分の持った物を幾重にも幾つにも無限に作り出せる」



 そしてクロノウスは立ち上がる。



「さぁ、第2ラウンドと行こうじゃないか」

次回は1月31日0時、【6章U4話 「勝負はまだついていないよ」】をお楽しみに。と言うか、クロノウスが少し強くし過ぎた? そんなきらいが出て来たんですが……。

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