6章Q4話「―――――――――望むところよ」
【ハトトリー・クイーン編】
黒い怪物と化したディオルーは口から水で出来た巨大なレーザーを発射した。発射された巨大レーザーは地面をえぐるようにしてクイーンへと発射される。発射された水のレーザーを受け流すように、クイーンはハンマーを思わせる武器を投げ捨てる。投げ捨てると共に、水のレーザーはお互いに相殺し合っていた。
「回転蹴り。と、私は思うのだけど」
そう言いながらクイーンは身体を空中で回転させ、そのままディオルーの身体を回転蹴りで飛ばす。クイーンは口から血反吐を吐き、そのまま地面に一度当たって跳ねていた。
血反吐と共に飲み込んでいた黒い球を吐いたみたいで、彼女の身体は一回り程小さくなっていて、彼女の顔にも血の色が感じられる。
「……ふっ! ありがとうとでも……言っておくわ」
意識を取り戻したディオルーはクイーンにそう言っていた。それに対してクイーンはと言うと、
「勘違いして貰っては困ります。私としてはあんな正気を失った怪物を倒しても、面白くないと思っただけです。と、私は思うのだけど」
そう言って、クイーンは剣を持つ。その剣に多くの刀が集まり、球となって剣はハンマーへと姿を変えていた。
「そうね。お互い、良い感じね」
と、自らの身体とクイーンの身体を見つめてそう言うディオルー。
実際、ディオルーの身体は黒い丸薬の効果とそれまでに喰らったダメージで長時間の戦闘は難しいし。 クイーンも磁気魔法でぎりぎり動いているような、いつ倒れても可笑しくない状態だった。
「お互い、イーブンとでも言いましょうか。と、私は思うのだけど」
そう言いながら、クイーンは魔力を高めて腕と足に付けた電極の磁気を高める。剣に付いていた刀や剣は腕や足を覆い包み、彼女の腕と足はまるで巨人の物へと変貌を遂げていた。
「……一発勝負とでも言いたい訳?」
「えぇ、お嫌いですか? と、私は思うのだけど」
「まさか―――――――」
ディオルーは自らの頭上に作り出した大きな水の球を見る。
それは巨大、鯨が何匹も入りそうで、それでいて破壊力も申し分なく存在する事が予想される程、巨大な水の塊だった。
「―――――――――望むところよ」
クイーンは床を蹴り、ディオルーの元へと向かう。足も刀剣によって強くなっているのか先程よりもずっと速い。そして、ディオルーはそんなクイーンを落とそうと水の球の狙いを付ける。水の球はどんどんとその深みを、濃さを増して行く。
「巨大機械神の拳!」
「水葬球!」
クイーンはその刀剣で作った巨大な腕を振り回し、ディオルーは水の球を投げて。
お互いに全力全開の技をぶつけ合ったのだった。
次回からはいよいよ、リストロル・ビジョップ編です。
【6章B1話「ボクもそう思っているよ」】を12月6日0時に投稿しようと思っているので、よろしくお願いします。




