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魔剣使いとハーレムと  作者: アッキ@瓶の蓋。
第6章 怪力女王と技術塔と義手男

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6章Q3話「今思い出すべきでは」

【ハトトリー・クイーン編】

 ハトトリー・クイーンの使ってる魔法は『磁気魔法』。その一種のみである。と言うか、磁気魔法しか使えない。

 元々、彼女は魔法の才に溢れた3つ上の姉に遠く及ばず、武器の才に溢れた2つ上の兄にも及ばない。姉は魔法の才に溢れていていたが、兄もそれなりに高い魔法の才を持っていた。そしてハトトリー・クイーンは兄よりも少し劣ったくらいの才を持っていた。要するに、普通の人に毛が生えた程度が彼女の魔法使いの才なのだった。



 『磁気魔法』も彼女が必死の思いで会得した魔法である。

 磁気魔法は磁力を操る魔法であり、それ以上でもそれ以下でもない。ましてや戦闘に多用すべき魔法では無い。

 普段の、個人としての彼女は『磁気魔法』以外の魔法、もっと戦闘向きの魔法を多用する。しかし彼女は『三発の雷(トリオ・ザ・スパーク)』として活動する際は、『磁気魔法』すら使わない。

 それが彼女の、『三発の雷』として活動する際の取り決めである。



 元々、『三発の雷』は当初は、クロノウス・ウルカニアはリストロル・ビショップと共に雷魔法を使う二人組として活動する予定だった。しかしその作る際、ハトトリー・クイーンは雷魔法は覚えていなかった。『雷魔法を使う』と言う形でグループ結成を目指していたので雷魔法を覚えていないハトトリー・クイーンはそのグループに入れなかった。

 しかし、クロノウス・ウルカニアと共に居たかった彼女は必死に雷魔法習得を目指した。最初はこのグループ作成自体を辞めさせようとしたクイーンだったが、それはビショップに止められてしまったからやめたのだが。

 だから、雷魔法を覚えるために必死になって覚えた彼女は、それから1か月で『磁気魔法』を覚えて、そして雷魔法を使う三人組である『三発の雷』が作られたのであった。



「まぁ、そんな事は今思い出すべきではないのでしょうけどね。と、私は思うのだけど」



 今、クイーンが思い出すべきなのは、感じるべきなのは、



 【恐怖】、その1点のみである。



 クイーンの目には、壁にめり込んだアスクム・フレイアトと



「コォォォォォォォ!」



 大きな声をあげる怪物と化した少女、ディオルー・セレネオスの姿があった。



 ハトトリー・クイーンの圧倒的な破壊力を持って、かなりの深手を負わされた2人。そして苦渋の決断を下すかのようにディオルー・セレネオスは黒い小さな球を口に含む。含むと共にディオルーの姿が変わって行った。

 彼女の肌は黒く染まって行き、彼女の額から一角獣(ユニコーン)のような金色の角が現れる。そして両腕が丸太のように太くなっていき、背中から黒い鴉のような翼が生える。そしてその瞳は獰猛な虎のように鋭い瞳へと変わっていた。



 そしていきなりディオルーはアスクムを吹き飛ばしてアスクムは壁にめり込み、クイーンもアスクムほどとまでは言えなくてもディオルーに吹き飛ばされていたのだった。



「くっ……」



 背骨の何本かを折ってしまいましたかね、とクイーンは思っていた。



 恐らく違法な薬の摂取による、異常なまでの身体改造を促す劇薬。ここまでの物は無理だろうけれども、この効果が終わってもそれなりの魔力強化、及び身体強化が行われるでしょうと、クイーンは客観的に評価していた。けれども主観的な評価としては、クイーンはこの場をどうにかしないといけないなと思っていた。



(まずは……)



 クイーンはそう言いながら、腕や脚に電極のような物を付ける。付けてその電極に磁力を流し込んで、クイーンは立ち上がる。



 磁気魔法の荒っぽい活用方法。

 腕や脚に電極を付けて無理矢理、腕や脚の神経を活性化させる方法。これは動けない物を電気魔法で神経を活性化させて動かそうと言う方法であるため、筋肉を酷使して動かしているので後で酷い筋肉痛になるのがみそなのですが、と思いながらもクイーンは側にあった刀を手にする。手にすると共に他の刀や剣が刀へと集まって行き、クイーンの手にはハンマーを思わせる武器を手にしていた。



「さて、女王の怪物退治としゃれこみまそうかね。と、私は思うのだけど」



 そう言いながら、クイーンは黒い怪物と化したディオルーへと向かっていた。

次回は11月29日0時、投稿予定です。

タイトルは【6章Q4話「―――――――――望むところよ」】です。

ちなみに次回がクイーン編最終回となる予定です。

ハトトリー・クイーン編の次は、リストロル・ビジョップ編をやる予定なので皆さん、お楽しみに。

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