6章2話『僕様達の手によって奪わせていただきました』
生徒会が馬鹿な事を了承していて、そしてクロノウス・ウルカニア率いる『三発の雷』が変な事をしていたのが、分かったのがその日の午前10時、花火が上がった直後だった。
宙には、3発の雷が浮かんでいた。
黒いのが1発、赤いのが1発、そして青いのが1発。大きな綺麗で、そして儚げな花火が宙に浮かんで消えていた。
そして、拡声器を通してクロノウス・ウルカニアの声が会場に響き渡っていた。
『ハロ、ハロー、皆様? 準備祭、楽しんでるかな―――――? 『三発の雷』の『雷影』ことクロノウス・ウルカニアと申す者でございま―――――す―――――!』
「クロノウス?」
僕はまだ皆と共に、禁術屋の前に居た。
「あれ? 何かな、この放送?」
「えっと……何ですか?」
「ちょ、ちょっといったい何なのよ!」
「……」
「ボクも聞いてないんだけれども」
皆それぞれ差はあれども、放送に驚いている。
そりゃあそうだ。こう言う場合、流れる放送は放送部による物のはずだと皆、思っているはずだから。
そんなに大きな声は聞こえないけれども、各地から不満気な、そしてどこか納得していないような声があがっている。
『『三発の雷』、『雷撃』ことハトトリー・クイーンです。と、私は思うのだけど』
『はい、この通り放送ジャックしているんですが、すぐに済むので少し聞いてくださいね。あっ、『三発の雷』、『雷通』ことリストロル・ビジョップですよ?』
どうやらクロノウス以外にもクイーンもビジョップもどちらもいるようだ。いったい、何だと言うのだろうか?
『これより生徒会公式競技、【『三発の雷』の金額泥棒】を開始したいと思います。
……実はあなた達が稼いだ2日間の営業金額の全てを僕様達の手によって奪わせていただきました。まぁ、あくまでもそう言う体でお願いすると言う事なのですが』
そう言う声が聞こえると共に、「おいおい、マジかよー」「体ってなんだよー」「クロノウス王、素敵です!」と言う声が聞こえて来ていた。最後、何だよ、王って。
『では、これより金額争奪ゲーム【『三発の雷』の金額泥棒】の説明を、このビジョップが説明させていただきます』
『流石、ビジョップ。説明家と言えば、やっぱりビジョップですね。と、私は思うのだけれども』
『う、うるさい! えー、ゴホンゴホン!
11時より私はグラウンド、無様女王は体育館、そしてクロノウス様は屋上にて待っています。そして倒すと共に、初めて倒した人間に獲得金額をあげたいと思います。
私を倒した人には5万円、偏屈女王も5万円、そしてクロノウス様は10万円です。倒した人間にはその金額をあげたいと思います。
なお、参加条件は校門前にて10時半で腕章を配っていますのでそれを手に取ってくださいね。私達を倒した証は、私達の腕に巻きつけた腕章で判断しています。
頑張ってくださいね――――――!』
『ちょ、無様女王とか偏屈女王とか少し――――――――』
そして、放送は途切れていた。
『……』
やるかやらないかと言う意味で、僕達は話し合い、やる事に決めた。
……まぁ、軽い気持ちで準備祭を楽しむと言う意味でやろうと言っただけなのだが。
友達からの報告で、次回から1週間空けて投稿したいと思います。
11月1日0時、投稿予定です。
【6章3話 「さぁ、やるか。皆」】を投稿する予定です。
今回の【『三発の雷』の金額泥棒】の説明が中心になる予定です。




