5章5話「私はビジョップとは違うのです」
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僕はヤヤとクイーンと一緒に、ディオルーとアトアグニさんのクラスへとやって来た。
出し物がお化け屋敷と言うだけあって、中は少し暗く中に居るのも怖かった気がする。ちなみにディオルーは雪女、アトアグニさんはお岩さんだった。どうやらディオルーは猫又のコスプレでは無くなったようである。
ディオルーは浴衣を着てるがかなりはだけた姿で、こっちを怖がらせようとしようとしたのは分かるんだけれども僕だと気付いた瞬間、顔を凄い赤らめてそのまま「ふがぁ―――――!」と言って中に入って行った。アトアグニさんは皿を数えてるみたいなんだけど、「1枚、2枚、3枚……。……発注ミスですね」と台無しな台詞を披露してくれて、全然怖くなかったんだけど。
まぁ、他は2人と比べたらちょっとは怖かったけど。
そしてお化け屋敷は5分程度で終わり、僕達は外に出た。
「はぅ~……。こ、怖かったです」
ヤヤは本当に怖かったみたいで、瞳に涙を溜めてがっくり膝を付いて倒れていた。
「糞学生の出し物にしては、まともと言っても良いですかね。と、私は思うのだけど」
と、クイーンは本当につまらなさそうに言っていた。
「はぁ~……。何だ、お前はクレイノスと一緒じゃないと楽しめないと言う気か?」
と、呆れたように冗談めかして僕がそう言うと、
「良く分かりますね。まぁ、実際その通りなんですが。と、私は思うのだけど」
と、クイーンは言っていた。
……もしかして、クロノウスが僕達にクイーンを押し付けた理由は、
「なぁ、クイーンさん。もしかしてクロノウスが僕達に押し付けた理由は、そのクロノウス超依存症が原因じゃないか?」
「まぁ、一番はそれでしょうね。と、私は思うのだけど」
ふぅー、と溜め息を吐くクイーン。
「確か……ビジョップさんはかなり友好的に人とも付き合えているんですから、クイーンさんも人に優しくすれば……」
「私はビジョップとは違うのです。あぁ、言う風に無駄に愛想を振りまく事は私はしたくはないのです。と、私は思うのだけど」
と、クイーンはヤヤの言葉をやんわりと断っていたのであった。
「ビジョップは皆に役立つ事を証明し、クロノウスに愛されようと考えているようです。それに対して私は、クロノウスさんが愛してくれれば他人からどう思われようと関係ありません。
要するに女王はたった1人の寵愛を受ければ満足ですが、ビジョップは周囲からの愛も欲しいと言った所ですかね。
まっ、だからクロノウスは私にビジョップでは出来ないような仕事を頼むかも知れないんですけど。例えばあの球を盗み出す仕事とか……。と、私は思うのだけど」
なるほど、な。
たった1人さえ愛する者が居れば良いと思っている女王と、周囲の人間の愛も受けて皆で笑顔になろうと考えている臣下。
孤独なクイーン、忠実なビジョップ。
本当、どちらが正しいんだろうが。
クイーンは「じゃあ、これで一応クロノウスも良いと思うので帰ります。と、私は思うのだけど」と言って彼女は帰ってしまったのでありました。
次回投稿は3日後の、10月3日0時投稿予定です!
ハトトリー・クイーン、過去の彼女に何があったのか?
【5章昔話①「何、これ……」】を是非お楽しみください!




