4章3話「……あ、ありがと、にゃん//////」
「はぁはぁ……。撒いたか」
僕はそう言いながら、廊下を歩きながら汗を拭く。あの後、僕は執事服を着させようとする女子達から何とか逃げおおせた。執事服は着せられてしまったが。
あの時は本当にやばかった。なにせ、普通に剣やら魔法やらを使って、無理矢理にでも服を着させようとしていたからな。なんとか逃げ延びたのは一重にアスクムのおかげだろう。あいつに皆がかまってくれたおかげで、僕はなんとかここまで来れたのだ。アスクムよ、お前の犠牲があった事を僕は忘れない。
そして、廊下を歩いていると目の前から化け物が現れた。いや、化け物と呼ぶのは相応しくは無い。どちらかと言うと、お化けである。
茶色いツインテールの髪の上に付けられた猫耳に、大きな胸を押し上げる青い浴衣。そして、ご丁寧な事に猫の手に猫の尻尾が付いている。体格も顔も見た事がある人物である。
僕は彼女の名前を呼ぶ。
「……ディオルー?」
「やっぱりレンラみたいね」
やっぱりディオルーだったようだ。一瞬、猫のコスプレをしていて本当にディオルーかどうか分からなかった。しかし……
「その格好はどうしたんだ?」
「これはうちのクラスのお化け屋敷の格好よ。私は猫のおばけ、猫又のコスプレで受付をするのよ。そっちはコスプレ喫茶?」
「あぁ、どうやら他の2人、ヤヤやアスクムもするらしい。何はともあれ、それ似合ってるぞ?」
正直、ディオルーの猫耳姿は初めて見たが、なんとも似合っていた。浴衣姿が可愛いと言うのも、似合っていると言った理由の1つかも知れないけど。
僕達は2人で廊下を移動する。
「……あ、ありがと、にゃん//////」
猫耳姿を褒められたのが嬉しかったようで、彼女は照れたように顔を赤らめる。まぁ、浴衣姿が恥ずかしいのだろうな。僕もこの執事服は少し恥ずかしいし……。
「ところで……あのクロノウス・ウルカニアとあんたとはどんな関係なのよ?」
「クロノウスとの関係ね……」
まぁ、ヤヤやディオルー、アトアグニさんやメンルリさんには僕とクロノウスの関係はまだ何も分からないし。そして、その情報は『僕様と君の仲でしょ? 手首を切り落とし合ったさ』と言う言葉だけだし。
……うーん。どう説明したら良いだろうか。
「僕の魔剣5本の元の所有者、かな」
「え……? それって盗んだって事? ……いや、手首を切り落としたって言ってたし、あの人は義手だったし……」
なんかディオルーが真面目に推理しているよ。しかも手首を切り落として盗んだのは、半分は間違いじゃないし。
「僕はあの5本の魔剣が必要だった。そして、所有者だったあいつは『魔剣を取りたかったら腕を切り落としてでも取れ』と言っていた、故に僕は両腕を切り落として魔剣を取った訳だ」
「……」
ディオルーは黙っている。
呆れているのか、それとも驚いているのか。失望しているのか、それとも理解に苦しんでいるのか。
まぁ、何だって良い。
「とりあえずそれはともかく、今は文化祭だな。お互い頑張ろうぜ」
「え……? なんで今、そんな事言うのよ?」
「だって……」
お前の後ろに鬼が居るから。
『……見ツケタ』
「じゃあな、ディオルー!」
そう言って、僕はそのまま走り去って行った。
「待て―――――――!」
クラスメイトとの鬼ごっこ、第2ラウンド始まりだ。
と、そんな事を思いながら、頭の中でゴングを鳴らしてそのまま走って行った。
ディオルーの猫耳姿とか、可愛いと思うんですけど、皆さんは可愛いと思います?
ちなみにアトアグニさんの方もお化け姿にコスプレさせようかと思うんですが、皆様はどんな姿が良いと思いますか? 宜しければ、メッセージにてお知らせください。
次回は8月27日投稿予定第1弾、8月27日0時、「逆卍固めなんて」です。




