4章2話「……はい。うちのクラスでは」
「……はい。うちのクラスでは、執事&メイド喫茶と言う事で宜しいですね?」
「「いや、良くないですから」」
メンルリさん宅から帰った次の日の教室で。
黒い眼鏡をかけてシルクハットを被ったアスクム・フレイアトの言葉に僕とヤヤはツッコミを入れていた。どうやらこの男は、僕達がメンルリさん宅で必死な戦闘を行っていた最中、クラス委員長とそんな事を話し合っていたらしい。
抜け目ないと言うか、ずる賢いと言うか……。
「ちなみに他の教室の出し物もそこで決まったから」
「クラスの話し合いとか無視か!」
「……と言うか、クラス委員長でも無いのにそんな場に呼ばれているアスクム君って」
ヤヤ、そこに疑問を持ったら負けだと思うんだ。具体的には疑問を持つべきではない所で疑問を持つと言う所で。
「えっと、知り合いのクラスで言うと、ディオルーさんとアトアグニさんの所はお化け屋敷だったよ」
「お化け屋敷……ね。あっ、そう言えばメンルリさんの所は?」
「あの天才少女の所かい? 珍しいね、本当に。レンラがそんな所に興味を持つだなんて。
……あぁ、クロノウスさんのクラスだったか、あそこは」
そう言えば、クロノウスがそんな事を言っていた気が……。2人ともあのクラスだったのか。
「あのクラスは確か……2年だったよね。あのクラスは、出し物だったよ?」
「出し物……ですか? それはまた、色物ですね。とても面白そうです」
と、ヤヤが面白そうな感じで、目を輝かせている。
まぁ、クロノウスには面白い友人が居るらしいからな。何せ噂だと、変な女性2人といつも一緒に居るらしいからな。まぁ、クロノウスも相当面白いし。
「じゃあ、僕らも準備しようじゃないか? 大丈夫、君らの執事服もメイド服も用意しているからさ」
「「そこは問題じゃないから!」」
「じゃあ、始めちゃってよ!」と言うアスクムの言葉で、周りを囲んでいるクラスメイト達数人が僕達の腕を掴んだ。そして、僕達は連行されてしまった。
「よしよし。これで大丈夫。さて、さて。残っている皆で喫茶店の内装をしようじゃないか。
……あれ? 皆、どうして僕も囲むの? 可笑しいよね、僕は完璧な裏方をするつもりなんですけれど……。
ねぇ、皆。目が怖いよ? 怖すぎるからさ。ねぇ、ちょっと……皆―――――――!」
アスクムも皆に連れて行かれたのであった。
どうやら僕達3人は、執事服とメイド服を着る運命にあるみたいである。
次回は3日後の8月24日の1時。タイトルは「……あ、ありがとにゃん//////」です。




