3章12話「どちらが強いか、勝負と参ろうじゃないか。……(・ω・)ノシ」
「やれ、ヘーメカトル。相手を池沼にしてやれ」
「えー……! 本当は嫌なんですけれども」
ヘーメカトルは両腕の刀をじゃきんじゃきん、と合わせながら音を鳴らせる。
そして、僕達の所に跳んで来る。
「切り捨て御免! 本当に御免!」
そう言って、ヘーメカトルは両足を一直線に合わせて回転しながら、両腕の刀で僕を斬り捨てようと攻撃してくる。謝罪しているのに、どうしてそこまで派手な技が出来るんだよ。
やっぱり戦闘用のロボットだから、人格はこんなんでも技自体はそんな形なのか。
「水林鏡!」
ヘーメカトルの刀の攻撃を、ディオルーが水で作った派手な装飾の鏡によって防ぐ。
「あっ、すいません。そんな綺麗な鏡に攻撃してしまって、すいません!」
そう言いながらも、ディオルーに攻撃を加え続けるヘーメカトル。
「おやおや、あのヘーメカトルの餌食に選ばれるとはね。あれはあれで、メンヘラですし。まぁ、あいつをディスってても、仕方がない。
こちらの問題は済んでいない。話を元に戻そう。メンルリ・シウテムカ。
……『298』までのロボットとは違って、私、アーリスと言う『299』のアンドロイドと、メンルリ・シウテムカの『300』のバイオロイド。私達は対立している」
「対立……」
メンルリが小さくそう呟く。
コイツが何を言いたいかは関係ない僕でも、だんだん分かって来たぞ。
つまり、彼が言いたいのは……
「お互いに対立して作られた、二作と言う事か」
「まぁ、そう言う事ですね。製造番号『299』、機械の部分を強くした人型ロボットのアーリスと、製造番号『300』、人の部分を強くしたバイオロイド、メンルリ・シウテムカ。
どちらが強いか、勝負と参ろうじゃないか。……(・ω・)ノシ」
そう言いながら、アーリスは頭から螺子を外してその外した螺子を、左腕から見える機械質なケーブルに指す。そしてその左腕をアーリスは、メンルリへと向ける。
「さよならだ、メンルリ・シウテムカ。そして、私こそが真の、スカアーニュ・シウテムカの最高傑作なり!」
そしてアーリスは自身の左腕をメンルリへと飛ばした。
メンルリへと吹き飛ばされたその左腕は、一直線にメンルリへと向かって行く。
「私は……作られた存在……」
メンルリさんはそう呟いていて、アーリスの攻撃を避ける気はさらさら無いと言う感じである。
「お終いだ、なう。簡単に終わりそうだな、メンルリ」
そして、吹き飛んだアーリスの左腕は不気味な音を鳴らせながらくるくると回転しながら、抉るような形でメンルリの肩をー
「やらせるか!」
僕はその左腕を白と黒の双剣、ウナ・フィアマで吹き飛ばした。
宙へと吹き飛ばされたその腕は、火炎と共に燃え上がり、左腕は灰となって、燃えきる事が出来なかった螺子は地面へと落下した。
「メンルリさんは一応、学園の宝らしくてな。
どんな事情で生まれたにしろ、今は僕達の仲間だ。そう簡単に、我らが学園の希望を壊してたまるかよ。
良いか。結局の所、生まれなんてどうだって良い。大切なのは、今をどう過ごすかだ」
そう、例えば僕のように小さな依頼をこつこつとこなす方法がある。それと同じように、彼女のように大きな依頼をどかどかとしていく方法もある。
価値観は無限にあり、そこに生まれが特殊だなんて言うのは特に関係ないのだ。
「今、それが一番大切なのだ」
「とても臭い台詞、thxとでも言っておこうか?
違うな、大切なのは過去だ。
私と彼女の因縁とも呼べる、対立構造はそう簡単に切り裂ける物じゃないんだよ」
ヘヘヘ、と笑うアーリス。そう言いながら、右腕で落ちていた螺子を披露。
「ならば、その対立構造、この僕が燃やしきってやるよ」
「やって見ろよ、大口叩く前に。このメシウマと言う考え方の、アーリス・シウテムカをさ」
そう言いながら、アーリスは螺子を左腕があった場所に取り付けた。
アーリスが使っていたネット用語、分からない人もいるかも知れないので解説しておきます。
「池沼」→「知的障碍者」
「メンヘラ」→「「精神が病んでいる人、行動が超ネガティブで異常な人」
「ディスる」→「侮辱」
「(・ω・)ノシ」→「バイバイ」
「なう」→「今」
「thx」→「ありがとう」
「メシウマ」→「他人の不幸で今日も飯が美味い」




