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魔剣使いとハーレムと  作者: アッキ@瓶の蓋。
第3章 天才少女のお宅訪問

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3章9話「伊達や酔狂で」

 僕、レンラ・バルトレンジは2人に合図を送る。一緒に来たメンルリ・シウテムカ、フォルセピア・アトアグニの顔を見合わせながら。



 目の前に居る相手は2人。

 白のスーツを着た大きな赤い大砲をそばに置いたガイオンと、赤い唐傘を頭の上に生やしたゴスロリドレスを着たコヨル。



「3vs2か」



 と、僕は冷静に戦況を分析する。こちらの方が優勢なのはまぁ、気分が軽くなった気がする。でも強さは今の所どんな強さか、未知数だし。



「いえ、ロボット的にそれは間違いです。貴方方の先程までガイオンが戦っていた戦力を『0』と数えると、3vs3の同数です」



「はっ? お前らのどこに3人目が……」



 僕の質問の内容はすぐに分かった。背後にて、弓矢がぶつかる音がしていたからだ。



「……えっ?」



 僕の目の前では弓を放ち終わった体勢のアトアグニさんが、僕の後ろに視線を向けていた。あっちは確か……



「……失礼。失敗いたしました。ごめんなさい、出来るなら許してください」



 と、後ろに居たのは先程燃やしたはずのゾンビだった。いや、もうゾンビの姿じゃなかった。彼女の姿を一言で言い表すとすれば、『ペンギン』。



 腰まで髪を伸ばした、小柄な体躯の男性。ペンギンの顔を思わせる帽子を深々と被り、手にはペンギンの羽のような物が付いている。そして、背中に雛壇(ひなだん)を背負っており、そこには全員弓矢を持ったひな人形が載っている。リスを思わせる茶色い大きな瞳には両目にそれぞれ、『204』と同じ文字が刻まれている。



「200番台! 気を付けてください、2人とも! そのロボットは販売ロットです!」



「「販売ロット?」」



 壁の向こう側、攻撃が当たらないようにディオルーさんを移動させたメンルリさんはそう言う。どうやら先程雷が致命的な弱点である、『001』から『100』の初期ロットよりも厄介そうな人型ロボットのようである。



「Yesでしてね。私は『204』の販売ロット、チャルチチュでしてね。雛壇(ひなだん)による射弓術(しゃきゅうじゅつ)を受けるが良いでしてね」



 長髪で小柄な体躯の男性、チャルチチュの背中に背負われた雛壇の雛人形達は弓矢を発射する。雛人形の数は、普通の5段人形らしく15体。その全てが弓矢を発射してるため、全部で15本の弓矢が発射される。

 その15本の弓矢を、一瞬でアトアグニさんは撃ち落としていた。



「……1人で十分。こいつは任せて」



「あなた達は少し小癪(こしゃく)でしてね。こちらで処理させていただくのでしてね」



 雛壇の人形は今度は1体辺り10本の弓矢、合計150本の弓矢を発射していた。アトアグニさんはそれを見るや否や、



「……私も増やす。弓術、マンス・アロー」



 10本の弓矢を構えるや否や、それを150本の弓矢めがけて発射する。弓矢は1本に付き30本に分裂し、合計300本の弓矢がその150本の弓矢を壊す。そして、チャルチチュは30本ばかり流れ弓矢に当たっていた。



「おおい、そちらばかり気を取っていても仕方ないぞ。敵はここにも居るのだから」



 いつの間にか目の前に居たガイオンが指を鳴らすと、大きな赤い賽子(サイコロ)は回転し、『3』の目を出す。赤い大きな大砲は、大きな音と共に回転し大きな赤い斧へと変わる。そしてその赤い大きな斧をガイオンは持つと、



「そいや……!」



 ガイオンはその大きな斧を振り上げて落としてきた。僕は3の太刀、ウナ・フィアマと言う名の白と黒の双剣で防ぐ。



「ほぅ……。魔剣士は伊達(だて)酔狂(すいきょう)で名乗っている訳じゃなさそうだな」



 ガイオンがそう言うと、大きな賽子は距離があるにも関わらず、回転する。



「なっ……! どうして動く!?」



「これが私の異能だからさ」



 赤い大きな賽子は『3』から『2』へと変わり、ガイオンの持つ斧はバルカンへと変わる。その銃口は俺へと向かっていた。



「銃口発射」



 ガイオンはそのままバルカンの銃口を発射した。僕の身体に銃弾が肌をえぐり、傷痕を付けていく。



「レンラ! 今、すぐ……」



「ロボット的に、あなたの相手は私です」



 近寄ろうとするメンルリさんに、コヨルさんは赤い唐傘を回転させて、メンルリさんの周りにガラスをばらまく。そして、



「ロボット的に爆発」



 メンルリさんの周りでガラスが爆発した。



「ロボット的にダメージありと判断」



 メンルリさんは爆破によるダメージを明らかに受けていた。メンルリさんはそのまま前のめりに倒れる。




「ふふふ。紳士的な忠告だ。君達は私達には勝てない。少なくとも『どんぐりの会』のメンバーである、私とコヨルには勝てない。諦めて降参すると良い」



 ガイオンは拳に赤いグローブを付けている。賽子は『5』と出されていた。

 そして、その拳に付けた赤いグローブを僕に向けている。



「……残念ながら諦める事は知らなくてね」



 僕はそう言いながら、白の剣を向ける。



「そうか…………残念だ」



 ガイオンはその赤いグローブで僕の肌を貫いていた。



「これで止め……? はっ……?」



ガイオンは可笑しいと思っている。なにせ、僕のグローブが貫かれた部分は”赤い炎で燃えていた”。



「……5つの太刀の1つ、3の太刀ウナ・フィアマ1次開放」



 僕の髪と瞳は赤く染まり、炎が燃えていた僕の肌は傷が消えていた。

 そして、僕は3の太刀、炎の太刀の封印を開放していた。



「さぁ、本番はこれからだ」



 と、僕はガイオンにそう言った。

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