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魔剣使いとハーレムと  作者: アッキ@瓶の蓋。
第3章 天才少女のお宅訪問

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3章5話「私の私設部隊」

 ナイフは僕達の頭上へと放たれた。放たれたナイフは僕達の頭上で一回転する。



「サイコロチェック、3、3。双六ナイフ、スコール」



 ナイフは空中で幾重にも増えた。冗談でも何でもなく、物理的な量問題でナイフが幾つにも増えていた。そして、僕達の方へ落ちていく。



「これならば……!」



 ヤヤがそう言いながら、即座に炎の防御壁を作ろうとするのだが。



「ロボット的に機能攻撃。特殊ガラス弾、発射」



 もう1人の『どんぐりの会』のメンバー、コヨルが右腕のチェンソーから銃口が飛び出して、ガラスの破片のような弾が向かって来た。



「水分の反応により、爆発する特殊ガラスのアルテミス。ロボット的に爆破ですよ」



 コヨルが目を光らせると、いきなりヤヤの目の前でガラスがくもって、爆発した。



「くっ……!」



 ヤヤが呪文詠唱に失敗したために防御膜(バリア)は作られずに、ヤヤは尻餅を付く。そこに落ちていくナイフ。それを即座にディオルーが防いだ。



「なら、ボクが……!」



 メンルリさんが剣を持ってガイオンの元へと向かって行く。



「簡単には倒させんよ、ここはクールに倒そう」



 ガイオンはそう言って、ナイフを片手で上空へと投げ、もう片方の手ではサイコロを投げる。



「……私達も簡単には負けない」



 アトアグニさんがそのナイフを弓矢で落とす。そして、ナイフは回転することなく下に落ちる。



「これで止め!」



 メンルリさんはそう言って、剣を振るおうとする。



「なんの……! 私の私設部隊、始動だよ!」



 ガイオンのその音場に、彼の近くから振り袖姿の和服美人達が現れる。黒髪ロング、白髪ショート、金髪セミロングなど髪の色や髪型はさまざま、背丈や体型もさまざまな女性である彼女達が同じだった唯一の点は、全員色やデザインはそれなりに違うとはいえ、振り袖を着ていた事だ。

 そんな和服振り袖姿の人間、総勢20人は剣を振るうメンルリさんの攻撃を、刀で防いでいた。



「こいつらは……パパの作品の番号(ナンバーズ)! もしかしてあなたがたは!」



「もともとこの製造品は彼の、いや、彼自身の目的である子供を作るために作られてるんだろ? いわば、人のニーズを叶えるためだけに用意された物だ。ならば、私のニーズに叶えてもらうのも不思議ではあるまい」



 彼はそう言って、周りの振り袖姿の女性達を見渡す。



「清楚を生み出す、巫女服姿も捨てがたいが、私はやはり巫女服姿を推したい。振り袖こそ最高、最高の美学にして、万物の至高なのだ!」



「……こいつも変態、なのね」



 しかもわかりやすいタイプの。



「やはり、いつも思うのですが。ロボット的に考えて、ガイオンさんのはあまりにも振り袖は向いていません。ガイオンさん、やはり時代は死体萌えです」



 そう言う彼女の周りには、20体のゾンビが登場していた。



「私は決して、死体は好きじゃありません。でも、時代は死体萌え。しかも重度の死体萌えなのです。

 最近では転生物が流行っているみたいですが、ロボット的に考えればあれは主人公達を一度殺しているのです。萌えとは即ち、気づかないうちにはやっている物。

 そして、転生萌えはつまりは一度死んだ人間じゃないと萌えないと言う現代人の考えの現れです」



 ……絶対、違うと思う。多分。



「で、なんだよ。お前は人は殺さないと萌えないと言いたいのか?」



 と、僕はコヨルに言う。



「イエス。転生物を書く作家も、それを読む読者も、それをお気に入り登録するファンも。

 全員、まとめて一度死なないと萌えないんです。

 全員、一度死ぬ事が前提として物語を書いているんです。だから、そんな彼らを死体萌えと呼ばずになんと呼ぶ!」



 彼女はそう言うと、背中からとても嫌な機械音。彼女の背中からは巨大な青いガラスが出ていた。



「と言う訳で、人気UPのために、尊い犠牲となってください」



 彼女はそう言って、大きなガラスを床へと投げた。



「……ば!」



 この大きさはさすがに対処出来ない!



「異能機能、作動」



 そして、大きなガラスは爆発し、床は抜け落ちた。



「「「「へ?」」」」



 女性陣4名の驚きの声。そして、



「な、なんでだー!」



 僕の情けない声と共に、僕達は床が無くなったため、地面へと落ちて行った。

















「落としてどうするんだよ、コヨル」



「ロボット的には知らないよ、ガイオンさん」



「お前、全部『ロボット的に』って付ければ解決するわけじゃないからな……」



 その頃、2人は顔を見合わせていたのであった。

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