3章4話「慢心は身を滅ぼすと」
今回は遅くなってしまい、申し訳ございません。
メンルリ邸。山の上のお屋敷は周りに黒い針葉樹林が沢山生える、はっきり言って不気味としか言いようが無い黒いお屋敷だった。
僕、レンラ・バルトレンジはヤヤ、ディオルー、アトアグニさん、そしてメンルリさんの5人でメンルリ邸にやって来たのである。
「カース! カース!」
「グギャラー! グギャラー!」
……何故か空には機関銃やらバズーカなどを鴉が宙を彷徨っているのだが。
「うー、変な鴉がうろついていますね」
「……ヤヤ……私も怖い」
ヤヤとアトアグニさんはそう言いながら、不気味な鴉を怖がっている。アトアグニさんは冷静に弓矢で鴉を撃ち落としているから、そこまで怖がっては無いのだろう。
「で、メンルリさん。あの黒い鴉はなんなの? 私にも分かるように説明してくれる?」
と、ディオルーさんはメンルリさんに聞く。
「えっとボクのパパ、スカアーニュ・シウテムカは生物学やロボット学など、数々の偉業を成し遂げた学者です。ボク以外に子供に恵まれなかったパパは、ロボットやらアンドロイドやらそう言った人口生命体を作ってたんです。全部でえっと……番号が298まであったから298体以上ですかね?
その……作ったまま保存されていた内の297体を3人が起こして全部で300体になったんです」
「それはまた……はた迷惑な父親だな」
番号が298まで居るとは……。どれだけ作ってんだよ、シウテムカ父よ。
「で、ボク達が戦ったさっきの鴉達はそう言ったのとは違う、ただのアニマル型のアンドロイドです。番号も付けられていないアニマル型のアンドロイドです」
あんなのがまだまだ居るって事かよ……。大変だな、おい。
そう言う世間話をしながら僕達はそのままメンルリ邸の扉を開けると、
「サイコロチェック、3、4。双六ナイフ、ダブル」
いきなりジグザグに飛んでくる2本のナイフが飛んできた。
「危なっ……!」
「むっ……!」
その2本のナイフを1本は僕が、もう1本はメンルリさんが弾いた。
ナイフを弾くと、上に飛んで行き、
「良し……これで……! ……!?」
僕は驚いた。ナイフは上空で一周して、そのまま下に落ちてきて僕の肩を切り裂いた。
「くっ……! 誰だ!?」
「ククク……。うまく言ったな、さすが俺」
そう言いながら、階段の一番上の広場でナイフを持った紳士服の男性が現れた。白を基調とした格調高いスーツを着た細身の長身男性。黒縁メガネにすらっとした顔立ち、肌は白くその青い髪は適度な長さで切り揃えられている。腰には2本の短刀を帯びており、ポケットはぱんぱんに膨らんでいる。
「ピピピ。ロボット的に考えて、慢心は身を滅ぼすと忠告しておきます」
そう言いながら、彼の横からゴスロリドレスを身に纏った端正な顔立ちの女性が現れた。スリムな小柄な体躯に白魚のような指。回転する赤い瞳に、頭の上に突き刺さっている赤い唐傘。そして一番あり得
ないのが、右腕に付けられたチェーンソー。明らかに人間では無い感じの女性型アンドロイド。
「貴様らはここで止めさせて貰おう。俺は『どんぐりの会』の自他ともに認めるナンバー2。『自在にさいころを操る』と言う異能の持ち主、ガイオン・ダラムアトルとは俺の事だ。
最強の暗殺劇をここで見せつけてあげよう」
「『どんぐりの会』、製造ナンバー6のコヨル・テミンス。異能は『ガラスをくもらせる』程度の異能。シヴァ博士の手によって改造された機械の身体を持つ異能者アンドロイド。まぁ、ロボット的に考えて今の生活も悪くはないけど」
紳士服の男性、ガイオンはそう言い、女性型のアンドロイド、コヨルはそう言った。
と言うか、また『どんぐりの会』のメンバーか。今度は『自在にさいころを操る』異能と、『ガラスをくもらせる』異能? それはまた、使えなさそうな異能の持ち主な事で。
「喰らっとけ、双六ナイフによる暗殺攻撃」
そう言って、ガイオンは右手でサイコロを投げ、左手でナイフを投げたのであった。




