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魔剣使いとハーレムと  作者: アッキ@瓶の蓋。
第0章 討伐任務
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0章2話「悪いけど」

「きゃーーーーー! やめて、殺さないで!」




 教会の扉を開けると、中に居たのは1人の女性の姿だった。



 黒いシスター服を着ている20歳前半の女性である。多分、この教会の関係者だろう。

 そして、目の前に居る男。彼女を殺そうとする女性に目を向ける。




「女性に対しても僕は遠慮しない。僕はそう言う人間だ」



 そう言うのは、背中に沢山の大砲が付けられた男性だ。

 赤い肩まで伸びる炎髪、全身を拘束着で身を包んだ男性。背は低く、細身で活発な印象を受ける。



「貴様が……単位上げの元凶か」



「ん……? 誰だ? 僕は名前を聞く。僕はそう言う人間だ」



「レンラ。レンラ・バルトランジ。トラソルクエ学校の学生だ。

 学校からの要請に従って、この無駄な教会占拠などと言う暴挙(トラブル)を止めに来た」



 僕は青い半透明の太刀を敵に、大砲を付けた男性に突きつける。



「そうか。学生業(ミッション)か。いやはや、学生は暇そうでなによりだ。僕は暇が無いからね。僕はそう言う人間だ」



 大砲を付けた男性はそう言いながら、高らかに笑う。



「僕の名前はディアウス・ナハルーパ。この教会を占拠している者だ。僕はそう言う人間だ」



 そう言いながら、彼は大砲を僕に向ける。



「悪いけど、君には即刻退場してもらおう。大丈夫、痛みは一瞬だ。

 僕は非道な人間だが、だがその分敵の最期は一瞬で決める。僕はそう言う人間だ」



 彼はそう言いながら、僕のほうへと全力でかけてきた。大砲にはいつの間にか炎が灯っている。



(魔法か……)



 魔法。

 魔力を使って、様々な現象を引き起こす力。

 『地』、『水』、『炎』、『風』、『天』。

 大げさに言えば、その5つに分けられる属性。

 あの大砲のは、炎の魔法なのだろう。



「最初からクライマックス! 僕はそう言う人間だ!」



 先手必勝。

 ディアウスは背中の大砲から砲弾を発射して、そのまま僕に向かって一直線に攻めてくる。

手にはただ長いだけの長刀がある。

 おそらく大砲で倒せなかった場合は、あの長刀で胸をぶすりと刺す。

 そう言う手筈なのだろう。



「甘いよ、ディアウス。そんな刀じゃ僕は”死なない”」



 僕は半透明の刀を腰に指し、そしてその刀で居合を行う。

 刀が風を切る。



 居合い切り。それは見事に決まり、刀身はディアウスの身体を




 ”刀に纏っていた水”は、飛んでいた砲弾を切り裂いた。



「かはっ……! 馬鹿……な……! なんだ……その刀……」




 ディアウスはそれだけ言って倒れる。



 峰打ち。殺す技じゃないけれど、相手を気絶させるにはこれで十分だ。

 さっきの居合い切りは峰打ちだったからな。

 彼は気絶しただけだろう。



「さてと……」



 僕は腰を抜かして倒れていたシスターさんに手を伸ばして、たたせる。




「あ、どうも……」



「トラソルクエ学校1年、レンラ・バルドランジ。

 今、ここにミッション達成をいたしました。この者の処分と、ミッション達成申告をお願いします」



 ミッション達成報告。

 他の人物の手、つまりは第三者によってミッションが達成した事を知らせる物。

 何故、自分でミッション達成と言ってはならないのか。それは達成してないのに、達成したと言い張る人が居るからである。

 まぁ、僕としては自分で報告する気がないから、存分ありがたいんだけれど。




「あっ……! はい! りょ、了解しました!」



「助かります。では」




 と、僕はそう言って教会の扉の方へと歩いていく。



「あ、あの! この度は、本当にありがとうございました! 是非、お礼を!」



「いえ、大丈夫だ。お礼などいらない」




「え? それは何故?」



 後ろでそんな声が聞こえて、僕は後ろを向いてこう言った。




「僕はお返しを求めて、ミッションをしたり人助けをしてる訳ではない。

 ただ最強を目指す。そんだけの人間だ。

 ……おっと、今回はこう言った方が良いな。

 ただ最強を目指す人間。僕はそう言う人間だ」



















 後の話だが、あのディアウス・ナハルーパは刑務所に教会の手によってぶちこまれた。

 どうやら教会のみを狙う悪質な人間らしく、それ故に懸賞金も高くミッション難易度も高く設定されたと言うらしい。

 そして、僕は図らずも、3と言う高位な単位を手に入れたのであった。



 ディアウス・ナルハーパが懸賞金が高かったから、単位も高かった。

 僕はそう納得していたのだが、後にそれが間違いだと知るのは、その次の日の事だった。

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