2章7話「……そう簡単には終わりませんけどね」
けれども僕、レンラから見るにマクウエは平和そのものに見える。
確かに蟹の魔物、マイアッハが居る事は驚いたがあくまでもそれしか可笑しいと思えないし。
「なぁ、アトアグニさん。僕はディオルーに連れられて来たから知らないんだが。
このマクウエはどこが危機にあっているんだ?」
「……知らないの?」
「いや、知らないんだが」
「んー……。エルフは森と……一緒に暮らしてる。これは……理解出来る?」
「まぁ、理解出来るけど」
アトアグニさんが言いたいのは、エルフは森にある物で衣食住を補っていると言う意味だろうし。
「その中の……住が大変……。数日前……サキュバスに……襲われた」
「要するに、サキュバスによってエルフの村が襲われたと言う事なのか?」
サキュバス。夢魔の一種でそう言った破壊活動には向かない魔物だと思うんだけど。まぁ、あり得ない話ではないし。
「じゃあ、とりあえずはそのサキュバスとかを倒せば良いのか?」
「……うん。……それが……正解」
まぁ、その作戦とかは全員が揃った時に考えるとしよう。
夜。
僕達はその話を始める事にした。
「ウラヌトリ・アテセ・ヤ。僕が薪木を集めてる間に、サキュバスの名前だよ」
と、アスクムが言っていた。
「いつ、そんなの調べたんだよ。ここに来てから、僕は人っ子1人まだ会ってないのに」
「人に会わずに情報を得る。それが僕、アスクムと言う人物だよ」
まぁ、情報を得るだけならば色々と方法と言う物があるのだろう。
「まぁ、サキュバスはこう言った村襲撃だとあまり出てきそうに無い類の魔物ですよね。むしろどこかの貴族なんかが戯れで召喚したり、相手への誘惑で使わる魔物ですよね」
「どちらにしても、戦闘には明らかに向かない魔物ね」
まぁ、そう言った種類で言えば、サキュバスが戦闘に出ている時点で可笑しな話ではあるのだが。
「けれども、レンラ。それに皆様。アスクムから残念なお話。
ウラヌトリ・アテセ・ヤは幾つもの魔物派遣会社や武器商人と接触を取っている。
だからそれなりに、武力を整えているはずですよ?」
「アスクムさん、それは本当に残念な話ですね」
あれ? 今の会話、アスクムの会話に違和感が……。
「アスクム。もしかして……ここを襲撃しているのはウラヌトリ・アテセ・ヤだけ?」
「ディオルーの言わずもがな。つまりはその通りだね。
なにせ、主に……と言うか言葉が通じて、意識的にマクウエを襲撃しているのは彼女ただ1人だよ。
まさしくその頭を殺せば、このマクウエ襲撃事件は終結する」
「それはまた……」
分かりやすそうな話で何よりだ。
「……そう簡単には終わりませんけどね」
と、1人アトアグニさんは呟いた。




