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江戸っ子歌い手少女  作者: 水海月
第一章『始まりの音色』
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第一章エピソード1『苦悩の日々』

━━━━━これは面白そう!



私の大道芸人としての勘が働いた。普段新しくて面白いことを探している私にとって、

これはとても興味を惹く商談だった。

仕事に行く途中に私に声をかけてきたこの女性。

栗色の髪に、着物にも羽織にも当てはまらない見たことのない衣服を身にまとっている。



━━━━━話を聞いた限り、怪しい話でもないと思うしやってみようかな?



大道芸人には報酬が付き物、そんな考えもあったが、それより先に口が動いていた。


「それで、どうするの?」


女性が呆れ口調でそう言うと、


「はい!ぜひやらせていただきます!」

「じゃあ、君の力も借りることになるけどよろしくね?」

「ん?はい、いいですけど、、、」


言葉の意味を理解せず、私は承諾をした。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


「はぁ、今日もダメだったか、、、」


少女は深いため息をこぼして、草履の音を立てながら見慣れて江戸の街並みを歩いていた。

土蔵造りの店が立ち並び、着物や羽織を着た男女達と少女が行き交い、

行商人たちが野菜や魚などを売る声が響き渡る。

そんな活気のある町の中で、一人の少女が落ち込みながら歩いていた。


「そろそろ新しい仕事を始めたほうがいいのかな?」


手に持った商売道具を見つめて、もう一度ため息をついた。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


花鳥紅葉は、日本の江戸に住む17歳の大道芸人である。

花鳥家は代々、大道芸の仕事をしていて、その歴史は30年だという。

紅葉自身この仕事をすることに対して不満は持っていなかったが、最近大きな悩みを抱えていた。

最近いつもより稼げないんだよな━━━━━

元々花鳥家の大道芸人の仕事は、世間一般的な普通の暮らしをすることができるくらい

稼げていたが、最近は見物人(みものにん)があまり来なくなってしまったのだ。

三年前は、二十から三十人ほどの見物人がいたのだが

最近は一日に来る見物人の数が多い時に五人、少ない時は一人か二人ほどになってしまった。


「いやはや、まったく何が原因なのだろうか?」


そう言いながら紅葉は細く、とても暗い路地裏を通って家への帰路を進んだ。




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