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愛 二乗  作者: 花ゆき
中学生編
13/37

愛二乗>恋の種

 


 一年の3学期。保健委員になった。

 大君くんは係りの仕事。


 だからもう、大君くんと話す機会はない。

 みんなの王子様だから。

 あんなに話せてたのがおかしいぐらい。






「はぁ……」

「果穂子最近元気なーい」

「そんなことないよ」

「さっきため息ついてた」


 友人は誤魔化せないらしい。


「そっか。どうしたんだろうね~。最近元気でなくて」

「まじで!?自覚なし??」


 中学になって出来た友達皐月が大げさに驚いている。


「何の自覚よ」

「そりゃあ、こ・いよ」


 きょとん、とした果穂子の向かいに座る皐月。


「あんたいつも大君くんのこと見てるでしょ」

「見てない見てない」

「じゃあ一昨日はどうして大君くんが体調悪いの分かったのかな~?」

「ほ、保健委員だから!!」


 ずびしっとチョップが入る。


「そんだけ見てるからでしょ!馬鹿ねー」




 でも違うんだよ。

 最近話してないから寂しいだけ。

 好き、とかじゃないから。




 考え事をしながら帰る帰り道。

 両手にはスーパーの袋。

 今日は私が料理当番なのよね。



「あ、平田さんだ」



 後ろから大君くんの声がした。

 久しぶりの感覚で、嬉しさに振り返ろうとした時



「やだ~、所帯臭い」



 そんな声が私を覚ました。

 カノジョいたんだ。

 そうだよね、大君くんだもん。

 かっこよくて、みんなの人気者。



「俺は尊敬するよ。

 両親が遅くまで共働きだから手伝ってるんだって」



 どうして大君くんはこんなことを言ったのだろう?

 彼女が隣にいるのに。

 それとも私がそんなに哀れだったのかな。


 優しすぎるよ大君くん。

 胸がじぃんとするんです。

 助けて下さい。





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