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愛 二乗  作者: 花ゆき
中学生編
12/37

愛二乗≠誰にでも?

 


 一年の3学期。係りの仕事になった。

 そのせいかな?なんだか平田さんと距離が遠くなった気がする。


 それと彼女が出来ました。





「大君くんって優しいよね」

「そうかな?」

「うん、絶対そう!」


 クリスマス前、同じクラスの子に告白された。

 初めて告白されて嬉しかった俺はOKした。

 その彼女と帰り道を歩いていた。




「ほんと、誰にでも優しいよね……」


 俺はその時、彼女が暗い顔をしたのに気がつかなかった。

 むしろ姉の教育方針に感謝していた。

 誰にでも優しい=褒められていると思ったから。


 イイ男は優しくあるモノ!!


 小さい頃からそう言われてきた。

 でもそれは彼女がいる時には適用されないらしい。




 高校生になった今ならよく分かる。


 好きな人の視線を独り占めにして、

 好きな人の優しさは自分だけでいい。

 好きな人――果穂子は俺だけ想っていればいいと思う。


 好きだからこそ生まれる独占欲が俺には分からなかった。

 だって俺は初めて告白されたこと、初めて付き合っていることに浮かれていたから。


 つまり、彼女に恋愛感情はなかった。




「あ、平田さんだ」


 前方にスーパーの袋を両脇にかかえた平田さんがいた。

 小さい背に大きな袋。


 彼女がいなかったら持つのを手伝ったのに。

 彼女という存在が重く感じた。

 そんな時


「やだ~、所帯臭い」


 ケラケラと笑う彼女に頭がかっとなった。


「俺は尊敬するよ。

 両親が遅くまで共働きだから手伝ってるんだって」


 言ってから失敗したと思った。

 カノジョがいる場合、そうだよねって同意しなければならなかったのだ。

 案の定彼女は気分を害した顔をしていた。


 それから帰り道は会話がなく、次の日別れた。







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