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44話 最終決戦(2)

 公爵邸の庭、浅い池。そこに横たわる女の子。その女の子を見ながら理解する。

「これは……わたしね?」

[そうです。ご主人様]

 私は、昔の私の口元に手をかざす。

「つまり、死んだのね?」

[…………はい]


 男の子が空間を切り裂いて現れた。剣を2本持っている。綺麗な男の子。

 死んだ私を見て、泣いている。心が痛くなる。泣かないで?

 男の子は剣を死んだ私の胸に置く。剣は吸い込まれるように体内に溶けていく。


「そう、つまり私はあなたによって生かされてるのね。ヴィータ」

[その通りです。ご主人様]

「あれは?」


 顎で示す先には、黒々した醜悪な塊。全てを奪い去るブラックホールの様な深い闇色の生き物。


[魔王と名付けられたもの。この世界の生き物から放出された魔力が集まり、この世界を滅ぼうと企むもの。幼いご主人様を殺したのも、魔王です]


「ふうん、魔力のかたまり…………ね」

[現在は私が魔王を封印しております。しかしもう限界が近づいております]


「つまりあいつの封印が解けたら、私も死ぬのね?」


[蘇生する方法はあります。ご主人様は献身の神に守護されています。献身の神に祈りを捧げれば、蘇生していただけます。その為に、皆様頑張ってくだいました]

 

 目の前の画面が変わる。

 ここは……さっきまでいた玉座の間?


 倒れた私を3人が囲んでいる。

 麗ちゃん、鼻水出てるわよ?

 咲夜、あんた生きてたのね。待ってなさい!戻ったらお仕置きだ。


 そして雅也さん、あなただったのね。私はいつも貴方に迷惑をかけているわ。私の為に、やりたくもない役目をしていたのね。以前の面影が何一つないわ。でも、貴方以外は考えられないの。勘が悪くて、察しも悪くて、すぐに愛しい貴方のことが分からない馬鹿な女だけど、許してね。早く貴方の腕に抱かれたいわ。


(次こそは貴方の唇を拒まない‼︎)


「ヴィータ‼︎やるわよ!」

 ヴィータが私の手に宿る。不思議、戦い方が分かる。使い方が分かる。


[ご主人様。献身の神がお待ちです!さぁ、祈りを捧げてください!]


「はぁ?あんた私の剣なのに何言ってんの?」

[へ?]


「祈らなきゃ助けてくれない神に何をお願いするって言うのよ。バカバカしい」

[え……でも神が……]


「神だか蛸だかイクラだか知らないけど、信じて祈らなきゃ助けてくれない神なんて、くそくらえだ!神ならば信じなくても、罵られても、嫌われても助けなさいよ!求めなきゃ奇跡を起こさない神なんて、私から願い下げだ!」


 そう、私はそうして生きて来た!求められなくても目の前にある命を救って来た。そこに私の好き嫌いは関係ない!私に感謝しようがしまいがそんな事はどうでも良い!そこにある命を救うだけ!私ですらできることが、できない神ならいらない!私には必要ない‼︎


[でも、皆様はその為にがんばって……]


「ああ、そうだったわね。蘇ったら説教ね。私のための三文芝居?バカじゃないの!そんな遠まわしな事されたって分かる訳ないじゃない!私は空気を読まないんじゃなくて、まったく、ちっとも、全然、読めないの!そんな事も忘れてるなんて、あいつらは私の理解度が足りない!修行不足だ‼︎」


[しかし、神の力がなければ甦れません]

「あんたも私の剣のくせに、しかしだぁ、でもだぁ、うるっさいわね」


 ヴィータを上段から右下方向になぎ払う。


「力が欲しければ奪えば良いでしょう?目の前に極上の獲物があるんだから」

 魔王とやらに向き合う。いいね。私の初めての獲物にふさわしい。

[危険です!あれは悪しきものです!]


 叫ぶヴィータを無視して、飛ぶように駆ける。自分のスピードに驚いた。魔力があるという事はすべてを可能にする。つまり、あれもこれもできると言う事か。そう思うと更に高揚する。


(素晴しきかな!異世界転生‼︎)


「悪も善も紙一重だ!全ては捉え方次第!覚えておきな!ヴィータ‼︎」

  

 ヴィータを右手に持ち、左手で魔法陣を構築する。子供の頃から憧れていた魔法だ。

「#隕石落下__メテオ__#‼︎」


 掛け声と同時に空間を埋め尽くす程に大きな隕石が現れる。それを上空で炸裂させる。炎に身を包み砕けた隕石の破片が、流れ星の様に尾を引きながら、次々と地面に激突する。


 避けながら、猛スピードで魔王に近づくと、私を捉えようと蠢く触手が迫る。ヴィータを振るい、それらを切り落とす。


 なんと言う全能感!高揚感!これを知ってしまったら、前世の世界には戻れない!!転生チート最高だ‼︎


「私に触るなんて生意気だわ。私に触って良いのは、雅也さんだけよ」


 蠢く黒い塊の上の飛び乗り、剣を思いっきり突き立てる。生意気にも感覚があるらしく、魔王が叫び声を上げる。


「わたくしの力になれるのよ?光栄に思いなさい」

 ヴィータを通して力を奪う。魔王も私の力を奪おうをする。

 ここからは力の奪い合い。


「上等じゃない。下等生物ごときが、わたくしに勝てると思うなんて」

 更に奪う力を強くする。


「ひざまづけ!無礼者!!」


(待っててね!必ず戻る!!)

毎朝7時に投稿します。

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