自由の定義
次の日、僕はまた休憩時間に図書室に行った。
また同じ本『自由とは』を本棚から取り読み始めた。
「またその本?」と静岡先生が聞く。
「はい。」
「そういえば今日は君の誕生日だったね。その本、持って帰りたい?」
「え?」いきなりの言葉に僕はぽかんとする。
「少し古い本だけど図書係に頼んで君の本にしてもらおうか?」と静岡先生は言う。
「はっはいっ!」僕喜んだ。別にこの本が好きというわけではない。しかし興味が少しあるだけだ。だけどそれでもうれしかった。
「じゃあ、少しこの本借りるね。」と静岡先生は本を持って行ってどこかへ行ってしまった。
学校が終わる直前に静岡先生が本を返してくれた。
もう君のものだよと言われて僕はうれしかった。学校のの帰り、僕はまた同じ道を歩いた。本を手に持ってゆっくりと歩いていた。
するとまた上で声がした。「よお」僕は上を見上げる。またあの男の子だ。
「その、昨日はなんで助けた。」と聞かれる。
「別に君に興味ないし、君に会ったことは興味ないからあの時は君のこと記憶らかきえてたよ。」
「嘘つけ、本当のことを言え」
「。。別に君に興味ないから。言いつけたってどうせ何の得にもならない。言いつけたってどおせ警察署連れらていて行って何放してたか聞かれるだけ。そんなのめんどい。」
「めんどい?wwっははっ。単なる優等生かと思ったけど面白いな。お前。えっと名前は。。。」と男の子は言う。
「三和樹 青戸 14歳」
「俺、天海 カイ15」とカイは言った。
「カイ?」僕は聞く。
「うん、カタカナのカイ。優等生でもわかりませんかー?」馬鹿にでもするように言ってくる
「それくらいわかるよ。変だっただけ」
「変か。。ここで話すのもなんだし違う場所にうつろ。こっち来て」とカイが言う。
「うん。。。」カイはスタッと木から降りた。そして小走りで走る。
「あ、ついてきてる。」とカイは後ろを振り向いて僕のほうを見て言った。
「いますけど。。なに?運動音痴とでも思ってた?」僕は聞く。
「うっうん。。」カイは言う。どうやら図星だったらしい。そしてなぜか走るスピードを速めた。僕はそれに簡単とついていく。そして来たのは人目に入りにくい森の裏の公園だった。
「話って何?」
「別にないけど」とカイは普通の顔で言う。
「じゃあなんで僕をここまで連れてきた。」
「あ、自由?何それ。変なのー」とカイが僕の持ってる本を見て言う。まったくこのひとはよくわからない人だ。
「自由についてそれ全部書いてあるの?」
「うん」
「げっ、つまんなそー」
「カイは本読む?」
「うん、本読むよ。漫画だけど。」
「漫画?何?それ」
「え?は?ふざけてんの?幼稚園生でもわかるよ。ま、ん、が。コミック、雑誌!」カイが言った。
「知らない」
「はあ?どんな家庭で育ったんだよ」
「普通の家庭、ねえ自由って何だと思う?」
「え?そんなの。。ほかの人に縛られずに自分の思うがままに生きることだろ?」とカイが言った。神様に仕えて一生を終えて得られるもの、がんばらないと得られないもの。そう考えていた。しかしそれでは何かしっくりこない。だからこの本を読み続けていた。しかし、今までで一番しっくりとした、自由という言葉に当てはまる意味が入った感じがした。
「自分の思うがままに生きる!そして自分の一番好きなことをやることだ。別にほかの人の意見なんて聞かなくていい。それが自由だぞ。」「。。。。。」風が強く僕たちに吹いてきた。初めてカイがちゃんと真面目でかっこいいことを言ったような気がする。
「じ、自由は。。僕でも手に入るものでしょうか?」僕はカイに聞いた。
「そりゃ、みんな平等に持ってるものだって。てかなんで敬語?青戸は深く考えすぎだよ」
「そんなこと、僕言われたことなかった。言われたことだけやっておけばとにかく褒められる。別にそれ以外考えてなかった。」
「うん。まあ、それがお前の生きたい生き方ならいいけどなー」とカイが言う。
「そっか。」自分の生き方?どんなものなんだろうか。
その瞬間教会の鐘が鳴った。
「あ、もうこんな時間だ行かなきゃ」僕はカイにさよならを言ってたちさった。
修道院に戻ると女の人が僕に駆け付けた。
「どうかされましたか?いつもより遅いですよ?」
「あ、すいません」僕は女に人に謝った。罪悪感はあった。いつものように。だけど今日はそれだけではなく、何か達成感をすこし感じていた。僕の顔から笑みが少し現れた。
「自分の。。生き方。。」そう独り言をぼそっとつぶやく。