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ドラゴンの被害


「ロロ! こっちだ!」


 騒ぐ群衆の中、周りに押されながらも、ロロと合流することが出来た。


「おにいちゃんっ!」


 余程怖かったのか、ロロは涙目で抱きついてくる。


「大丈夫か?」


「う、うん」


 頭を撫でてやると、震えていた体も落ち着きを取り戻してくれた。


「マスター!急ぎましょう」


 背後では、ミオンが焦った様子を見せている。


「ミオンでも、難しいか」


 ドラゴン。前回の記憶では、レベルは三十〜五十と、かなりばらつきがあった。

 しかし、ミオンのレベルなら倒せないだろうか?


「すいません……空を飛ばれていると……」


「そうだな……」


 空中を見上げると、ドラゴンは遥か上空から炎を吐き続けているようだ。

 あの様子では、たとえ跳躍で迫れたとしても的にしかならない。


「このままだと、この町はあのドラゴンに滅ぼされるな」


 前回の記憶そのままの展開なら、それは確実だ。


「逃げましょうか」


 深刻そうにそう提案してくるミオンに、俺は不敵な笑みを浮かべる。


「いや、アイツは貴重な――」


「っ!? マスター!」


 そんな時、ドラゴンの吐く炎が頭上を通り過ぎ、家々の屋根の残骸が俺たち目掛け落下してきた。


「ミオン!?」


 俺と、抱きついていたロロを一緒に突き飛ばす。そのままの勢いで、ミオンも瓦礫の直撃は避けられたようだ。


「ぶ、無事ですかマスター」


「お前、なんで!」


 ミオンの無茶な行動に、助けられた恩を忘れつい怒鳴ってしまう。


「マスターを守るのが、私の使命ですから」


 そんな俺に、ミオンは薄く微笑みながら語る。


「お、おねえちゃ……」


 俺の腕から抜け出したロロが、ミオンの足を見つめ青い顔をしながら指をさす。


「ミオン、傷が……」


 そこには、もはや歩くのが困難と思われるほどの深い傷が残っていた。


「これくらい、心配ありません。私は、自動人形ですから」


 自身の傷を確認し、それでも、俺たちを安心させようと笑うミオンの顔を見て……俺の中で、何かがキレたような気がした。


「……」


 拳を握りしめ、立ち上がる。


「ロロ、ミオンの側に居てくれ」


「う、うん」


 俺の様子がおかしい事に気がついたのか、少し戸惑いながらも、ロロは素直に聞いてくれた。


「おにいちゃんは……?」


 どこに行くの?そう問いたいのだろう。


 決まっている。


「俺は……」


 ミオンにこんな傷を負わせる原因になったあのクソドラゴンを――。


「ーーぶっ殺してくる」



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