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第4話 運命の出会い


「……彼女は」


 少年は血まみれで倒れている少女に近づいた。


「……近づくな人間」


「えっ」


 少年はその声を聞き、近づくのを止めた。


「……私は最上級精霊であり、天使の中でも序列三位のスリーだ。人間が私に触れるな」


 スリーは弱弱しい声で触れるなといった。


 だが、


「……聞いているの?私に触……」


「だから?君は今すぐ治療しないと危ないよ。命の危険でもあるし」


「……私は人間全滅側の精霊で今までも多くの人間を殺してきた。私を殺したいと思う人間はいっぱいいるわ。そんな私を助けるの?傷が治ったら、貴方を殺すかも知れないわ」


「僕は助けたいと思うから助けるんだ。それに僕には頼りになる友達がいっぱいいるから何とか殺されないと思いたいね」


 少年は苦笑しなからスリーの傷を治し始めた。少年が使っているのは水魔法の中級の回復魔法である。この世界と七つの文明が繋がった事により、魔法と呼ばれる物語に出て来る様な不思議な力が観測され、世界中では、精霊との契約の他に魔法が飛躍的に浸透、開発研究が行われた。

 その結果、魔法は全部で八種類に分類され、火、風、雷、土、水、光、闇、無と分類され、その他に下級、中級、上級、最上級とランク分けされている。また、研究段階ではあるが、精霊の力を合わせる事により、最上級よりも上の魔法を使える可能性があるとされでいる。


 その中でも、回復魔法は全員が使える訳ではなく、適性がある者しか使えず、さらに中級ランク以上のの回復魔法を使えるのは少ない。


「……今の僕の回復魔法ではある程度の傷は治せるけど、その胸の傷をすぐには治せない。時間がいる」


 少年はそう言い、持ってきていた荷物から包帯や傷薬等を出してスリーの体に塗り、巻いていった。


「……常に医療道具を持ってきているのか?」


「ここにはよく来るんで、たまに怪我をした精霊を見るんでその手当の為に持ち歩いでいるんです」


「……そう」


 二人は傷の手当てが終わるまでそれからは話をしなかった。






「これで、手当ては終わりです。ある程度傷が治るまで安静にしてくださいね」


「……」


「後、これを食べてください」


 そう言い、少年は果物をスリーに渡した。


「何が食べた方がいいと思うので果物しかないですけど、食べて下さい」


「……」


「僕は戻らないといけないので今日はこれで、明日まで来ますね」


「……」


 少年はスリーに一語、二語といい何がを言い、帰って行った。その場に残ったスリーと言えば、


「……変な人間」


 そう呟き、少年が置いていった果物を一つ掴み、暫く考えてから口に入れた。


「……おいしい」


 スリーは今まで色々な果物を食べてきたがこの果物はそのどれよりもおいしいと思った。


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