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第2話 最前線②


「やってるわね」


 スリーとエイトは最前線の遥か上空から戦場を観察していた。


「情けないわね。人間如きに押し込まれているとわ。そうわ思わない?エイト」


「……我々天使も万能な生物ではない。時には負ける事もある」


「人間に負ける?そんな事ある訳ないわ。他の文明のやつに負ける事があっても、人間に負けるなんでありえないわ」


 スリーはエイトの話はありえないと一蹴した。


「それに、私が出ればすぐに終わりよ」


 そう言い、スリーは戦場に降下していった。


「……スリー、貴方は何もわかっていないのね」


 エイトはそう呟き、スリーの後を追った。






 最前線では、人間側が優勢で進んでいた。このまま人間側の勝利がと思われた時、上空から無数の光の剣が人間側に降り注いた。


 そして、人間も天使もが上空に視線を向けた。


「……出て来たな」


 その誰かの言葉が紡がれた時、最上級天使であるスリーは舞い降りた。


「ご機嫌よ。そして、さようなら。貴方の未来はここで終わりよ」


「いきなりの挨拶だな?いくら最上級天使といえ、一人で勝てると思うのか?他の天使はほとんど、いないけど?」


「雑魚がいなくっても、何も問題ないわよ。それに私一人ではないわよ」


 スリーが手を上げた。すると、上空からエイトが降下して来た。


「最上級天使二人で相手してあげるわ。光栄に思いなさい」


 スリーはそう言い、勝ちを確信した声で答えた。


 そして、


 スリーは、


 後ろから、光の槍で貫かれた。


「ぐわっ」


 その状況に誰も理解が追いついていけなかった。


 何故なら、最上級天使が最上級天使を貫いたのだ。


 そう、エイトがスリーを貫いていた。


「……何のつもりだエイト。血迷ったか?!」


「いいえ、血迷っていませんわ。全ては我が契約者の為」


「?!契約者だと。……エイトまさか、貴方人間と契約したの?!」


「ええ、そうよ」


 エイトは左の手の甲をスリーに見せた。そこには先程までなかった紋章があった。


 それは、契約の紋と呼ばれる紋章であり、天使や他の文明の生物が人間と契約する時に、体の何処かに刻まれる人間との契約を示す紋章である。


「……何故、裏切った?」


 スリーは、弱弱しい声でエイトに問う。


「簡単な話よ。私は人を愛している。人をゴミ以下と蔑んでいる貴方と一度も仲間とは思っていなかったわよ。それに、貴方は厄介な相手ですから真正面から戦っても、勝ち目は少ないと思っていました。なので今回の様な手を打つ事にしました」


「貴様っ!」


「それにここには、貴方の味方は誰もいませんよ?」


 エイトの言葉にスリーが周りを見ると、人間側も天使側も誰も動かなかった。そして、スリーに向けて、憎しみを込めた視線で見ていた。


「……最初から私をここで始末するつもりで、今回の作戦を?」


「ええ、今回の戦いは全て貴方をこの戦場に誘い出す為の全て仕組まれたものよ」


「……」


 スリーはあまりのでき事にもう言葉が出なかった。


 エイトはスリーから光の槍を引き抜くとその場から離脱した。そして、人間側と天使側で無数の攻撃魔法が展開された。


 その全てがスリーを狙っていた。


 だが、スリーはその場から離れない。ダメージによるものか、それとも裏切られた事による精神的なショックか。


「……さようなら」


 そして、スリーに大量の攻撃魔法が殺到した。物凄い爆音と煙巻き上げ、地形さえ大幅に変わっていた。そして、そこにはスリー姿は影も形もなかった。





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