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第9話 『逃走者の正体』

「最初から作戦なんてなかったでしょ?」

 ミーナが図星をついた。


「あーなかったよ、アルペジオの角があんなに光るなんて、あのロバは命の恩人、いや恩ロバだな」


「ロバではない、恩馬と言え」

 相変わらずミルコは意地を張る。


「そのくだりもういいよ、ロバでも馬でも変わらない、いい奴だ、欠かせない存在だ」


「お前分かってるじゃないか!あいつは相棒だ!」


「ミルコ、お前の剣術はどうなんだ?」


「私は由緒ある家の出とでも言っておこうか、幼い頃から習い事は沢山させられた、馬術、剣術、槍術(そうじゅつ)長術(ちょうじゅつ)弓術(きゅうじゅつ)その中で一番好きだったのが槍だったわけだ勉強が苦手で魔法とやらは学んでこなかったがな」


「だから今槍を使ってるって事か、ロバ術はどうした?」


「馬術だ、幼い頃からアルペジオと一緒だ、ずっと寝食を共にしてきたんだ」


「おいおいアルペジオはもう10年以上一緒にいるのか?」


「そうだそれがどうした?」


「う……なんにもない」

 アルペジオがもう成長しない事を言おうとしたが言うのを諦めた。


「そうだミルコ、旅をしながら俺に剣術を教える気はないか?」


「それはいいアイデアだな、教えてやろうじゃないか、ただし対価として旅の途中で沢山の甘いものをくれ」


「そんなんでいいのか、なら契約成立だな」

 街長と剣術の約束したが、早々に旅に出たいのでミルコに教わることにした。


「まずは隣街の鍛治職人を訪ねよう」


「旅に出る挨拶くらい街長にしとかないといけないんじゃないか?」

 ミルコがもっともなことを言ってきた。


「そうだな、剣術もミルコに教わることにしたことも伝えないとな、まー生き血を吸いたがるダインスレイブなんか持ってられねーしな」


「出発は明日の朝だ、街長の家に挨拶をし出かける、準備は今日中にしとけ」



 日が変わり旅立ちの日。


 ドンドン!俺達は挨拶の為に街長家を訪れ、扉をノックする。

「おはようございます、ユウキです」


 街長は扉を開けて迎え入れてくれた。

「なんじゃ、ユウキさんかね、様子を見たところ、旅立つのですかな?これをお持ちなさい」


 俺達を見て旅立ちを察した街長はひとつの袋を俺たちに持たせた。

「はい、剣術を教えてもらう約束をしましたが、旅をしながらミルコに教わることにしました、この袋は?」


「リブビーンという豆じゃ、魔王を倒す為の拠点が決まりましたら植えなさい、すぐに大きくなり、あなた達を助けてくれるでしょう」


 「分かりましたありがとうございます、しっかりと覚えておきます」


「それとミーナさんとユウキさん、そのロバは手放してはいけませんよ、秘めたる力が見えます、きっと精霊の血が流れておりますよ」


「ほら見たことか、私の相棒は聖霊だ!」

 自慢気なミルコだ。


「ロバってところは否定しないのね~」

 突っ込むミーナ。


「どうでもいいが、どの方角に進めばいいんですか?」

 俺は冷静だ。


「まずは北の街、ダンガルシアへ向かい鍛治職人を訪ねなさい」

「分かりました、あと馬車を借りられませんか?目的を果たしましたら必ずお返しします」


「わかりました、うちの馬車を使いなさい」

 これでダビデの街ともしばしのお別れとなった。 



 借りた馬車の手綱をミーナが握り、竪琴を積み、うるりんを置いたが、ポケットにしまいなおした、そしてアルペジオに引かせた、目標を持った俺達はダビデの街を出て北に向かうことにした。


 道中ミルコは不満そうに言う。

「どうして、私は徒歩なのだ、アルペジオは私の馬だぞ」


「この中で一番アルペジオを扱えるのはミーナだ、ミルコにはまだまだ早いしお前は体力があるだろう」


「ならば3人とも乗ればいいじゃないか」


「見てみろ、アルペジオは精一杯じゃないか」


 アルペジオはミーナの命令には従順で力一杯馬車を引っ張っている、それを見たミルコは何も言えなかった。


「あー疲れたわ~」

 一番楽なはずのミーナが弱音を吐いている。


「おいおい、お前が一番楽なはずだろ、いつでも代わってやるぞ、代われ!」

 ミルコは弱音を吐くミーナに詰め寄った。


「いや…いいわ私が乗ておくわ」

「代われ!アルペジオは私の為にいるのだぞ」


「わかった代わってあげるわよ、だたしアルペジオを扱えたらね」

 ミーナは仕方なく手綱をミルコに渡した。


 ミルコは馬車に座りる。

「アルペジオ行くぞ、はいゃ!」

 アルペジオの手綱を振って歩かせようとするが、全く動こうとはしない。


「ほら、ミルコちゃんには無理なのよ、アルペジオは私のことが好きなのよ」


「みんなを敵にするぞ~、そもそも竪琴が無けりゃ4人くらいは乗れるぞ」

 俺はミーナを少し非難してやった。。

 てへぺろとミーナは黙って舌を出した。

 結局馬車にはミーナが乗ることになる。



 程なくすると、大きな湖がありその周りに小さな街がある。

「ここがダンガルシアか?今夜はあの街に泊まることにしよう」

 俺達は湖のほとりにある街に行くことにした。



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