序章~転生か召喚か~
「次々と各地に魔物が現れたとの噂が広がっている」
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高校二年の2学期も終わる。
明日から冬休みが始まる。
といっても俺には関係がない。
2学期の夏休み明けの3日、一応夏休み明けの提出物だけ提出し、それ以降登校していない。
学校は心底つまらないものだ、不登校になった理由は単純だが奥深いもの、だが学校にはどうしても行きたかった…そのためもあるが制服だけはたまに着ていた。
2年に進級したあと、1学期の間俺はずっとオタクというだけの理由でイジメにあっていたからだ。
あれから約4ヶ月引きこもっていた。
引きこもり生活に終止符を打たなければならないことはわかっている、だがもう帰れない…
お気に入りのフィギュアがある、イジメの理由にもなったひとつ、『うるりん』女子が見たら引くだろう、これが俺の日常……
二次嫁だよ。
不登校、それは両親も理解してくれていた。
そう、この瞬間までは、それ以降はわからない……
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ルルルル…ルルルル…ルルルル
スマホの呼び出し音が鳴る。
手に取る、非通知という文字。
登録外の着信は無視をする事に限る。
大抵の電話はそれで切れるはず……と放り投げる。
いつもと違う…鳴り止まない「五月蝿い!」……
応答保留モードにすればそのうちと手に取る……
保留ボタンがない…「誰だよ」仕方なく出るしかないのか。
「もしもし…もしもし…もしも~し」
電話の向こうから奇妙な声がけ聞こえてきた。
『本、この本で合ってるよね?天の盟約めいやくに従い友に勇気を与え我われ、汝なんじを召喚す!出いでよ…?ん…ユウキ?これで合ってるのよね?』
「もしも~し、誰ですか~?」
「ツーツーツー……」切れた。
誰からの電話なのかも分からず、スマホを見返しスマホから目を離した、その時俺は突然スマホに吸い込まれ始めた…とっさに『うるりん』を守るように手で掴み覆った。
「うわっ!」その場にスマホだけが"ゴトン"と落ちた。
突然吹雪の中に放り出された、寒くて凍えそうなくらいの冷たさと暗闇、手足の先から痛く凍っていく感覚と徐々にその感覚も麻痺し始めていき、意識が遠のいていく雪山で遭難したかのように寝てしまうと死んでしう、だめだだめだだめだ……寝ては「寒い、寒いもうだめだ」脳まで凍る、すっと眠ってしまった。
夢の中か目覚めなのか、召された声か、分からない
声が遠くに声が聞こえる。
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