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絶対的弱者

「うっ!」


 俺は始まりの平原にバケツのようなものから捨てられた。


「じゃあな、クソ野郎。もう2度と会う事もねぇだろうよ!」


 俺は衛兵に精いっぱいの悪態をつこうとするが状況が状況だけに何も痛いところをつけない。


「風邪ひけ! 虫歯になれ。このクソが!」


 衛兵は去っていってしまった。




「さて、どうする……」


 こんなところに「ミ」1つで放りだされるとかハードモード過ぎんだろ……

 もし幸運にも誰か通りがかったところで絶対に友好的な関係を結べるとは思えない。

 モンスターとして転生してしまう話はいくつか読んだ事はあったがまさかうんことは……


「そういや、あれはないのか。あのゲームみたいなやつ」


 そうだ、異世界にきたんだからあれあるだろ、チート能力ってやつ。

 試しに念じてみる。


「ステータス・オープン」


◇◆◇

 うんこ レベル1

 HP 39/39 MP 5/5

 ちから 0

 たいりょく 2

 かしこさ 5

 すばやさ 0


 スキル 食い物にされる敗北者ルーザー・ルーザー


 スキルポイント 0

◇◆◇


 おぉ! ひらいた……けど、これ。よっわ! よっわ! うんこよわい!

 しかも名前うんこになってんじゃねぇか。訴えるぞこのやろう。


「ぐ……た、たのみの綱はユニークスキルっぽいこれだけか……」

 

 スキルの欄に意識を集中して念じてみる。


◇◆◇

・食い物にされる敗北者ルーザー・ルーザー

 最弱者の象徴。これを持つものを見たモンスターは、持ち主を絶対的な弱者とみなし、無条件に捕食、襲い掛かる。

◇◆◇




「……………………詰んだ…………」

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