2/14
世界で一番モテない勇者
「うぅん……こ、ここは……」
気が付くとゲームとかに出てくるなんか偉そうな人達とか魔術師っぽいやつらがいる部屋にいた。
足元には魔法陣なんかが浮かんでいる。
これは? ひょっとすると所謂あれか?
異世界転生してチートでハーレムでウハウハなアレか?
すると1人の男が驚いた声を出した。
「しゃ、喋った!? 今こいつ喋らなかったか?」
なんだ? 喋ったらまずいのか?
「あ、あの……ここは……私を呼んだのはあなたたちでしょうか?」
すると一番偉そうな王様らしき人が言った。
「なるほど、この間のオークやゴブリンの時と同じと言う事か……うんこよ。貴様、元の世界では人間だったと言う訳か?」
「はい。私はにんげ…………はい?」
え、今こいつなんて言った?
「………………うんこ?」
すると王様はとても悲しそうな、うんざりした顔で手を叩いた。
「鏡を持て」
侍女らしき人が持ってきた鏡を覗いて絶句する。
目も鼻も……いや、手も足も頭すらないグルグル巻きにされただけの茶色いボディ。
「…………うんこじゃねぇか…………」