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社畜魔王とクズ勇者  作者: 新増レン
第六章 「社畜魔王、愛を知る」
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第六章2 『権威を示せ』

 

 魔王と勇者の邂逅から数日が経過した。

 魔王城へと戻ってきた魔王であったが、勇者の言葉に頭を悩ませ、心ここにあらずの状態だった。

 それを見ていた護衛衆と秘書は、秘密裏に会議を開くこととした。



「サキュバス様、魔王様はどのようなご様子なの?」


 雪女から訊かれ、私は首を振る。


「魔王様、どうしたのでしょう……」


「今の魔王様は、優しい方、です。もしかしたら、こないだの事で悩んで、いるのかも」


 セイレーンが口にしたのは、ハーピーの件だ。

 ハーピーのことが魔王様には辛かったかもしれない。それが護衛衆の見解らしい。

 それもあるだろうけど、私は違うと思う。


 魔王様はきっと、ご自身のことで悩んでいる。

 私達では干渉できない、そんな気さえしてくる。


「うーん、よぉするに、魔王様が元気になればいいってこと?」


 フェニックスが首を傾げていた。


「最近はお忙しかったからな、休養をとっていただくのはどうだ?」

「あ、わたしもデュラハンさんに賛成です」


 デュラハンとミノタウロスの意見は最もだ。

 しかし、足踏みしてしまう理由もある。


「サキュバス様、いいですの?」

「……」


 雪女の言葉に答えられない。

 すると、セイレーンはこちらを不安そうに見てくる。


「サキュバス様、何か不安なことが?」

「先日のハーピーの件が、少し……」



 ハーピーの件は、思わぬ形で魔界に影響していた。

 ハーピー族は魔王様に仕えてきた種族の一つ。そんな種族の族長が魔王様に悪意を抱くはずがない。といった声が上がっている。

 真実を伝えるのは難しく、証拠も乏しいため、一部の魔王軍からは魔王様への不安や、不満が膨張していた。



「今回の件ですと、魔王様が自らの潔白を証明することも、ハーピーの行いを確証させることも難しいですから、他の四天王が黙っていないと見てるのですわね」


 雪女の言葉に頷く。

 彼女は魔王様に迫りすぎるけど、こういった頭の回転は評価できる。


「魔王様には、出来るだけ表舞台に立っていただかないと、噂が拡散するかもしれません」


「サキュバス!!」

 私の言葉に、デュラハンは怒りをあらわにしてくる。


「秘書のくせに、魔王様の心配をしないと申すのか?!」


「そうは言ってません! 私は――」


「や、やめま、しょうよ。自分たちで、言い争っても、意味がない、です」

 セイレーンに仲裁され、デュラハンと引き剥がされる。


「そうだ。じゃあさ、労いを込めてさ、久しぶりにあれしようよ!!」


 フェニックスの言葉に、注目が集まった。

 それは、私が考えもしない提案だ。


「フェニックスさん、あれとは?」


「ふふん。魔界舞踏会だお!」


「魔界舞踏会……」


 そうか、その発想はありませんでした。

 由緒ある伝統の舞踏会。ビーストのこともありますし、機会は充分かもしれません。

 それに、魔王様の権威を保つためにも必要……。


「魔界舞踏会、開催しましょう」


「ほ、本気ですか?」


 ミノタウロスが驚く。彼女だけでなく、フェニックス以外は全員が驚いていた。


「本気です。これが、最善かと」


 こうして、私は魔界舞踏会の開催を決定した。


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