表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜魔王とクズ勇者  作者: 新増レン
第二章 「クズ勇者、旅立つ」
34/209

第二章11 『国境越えってドキドキしない?』

【2018年1月20日改稿。内容に変更はありません。見やすくしました。】

 


 テスタラの町を別々に出た僕らはなんとか集合できた。

 そして、とりあえず次の目的地を確認することにした。



「よし、まずは資金集めだ。ラスベスで一山当てよう!!」


「同感しますですよ!」


 お、意外にもモルちゃんとは気が――。



「ふふっ。勇者様の行きたい場所なら、わたくしの本望。そしてわたくしを認めた勇者様はついに自らの野性を解き放ち――」



 合わないよな。うん。

 この子はこういう子だ。


「こら。馬鹿言ってないで、真剣に考えるわよ」


「でもさ、資金難でしょ? それならラスベス行った方が――」


「資金ならご心配なく」


 ドサッ!


「え?」


 エリカちゃんは金貨に溢れた袋を取り出した。


「……それ、盗んだの?」


「違うわよ! 勇者一行が盗みを働くわけないでしょ!?」


 いや、この子ならやりかねない。


「なによ、その目」

「別に?」


「こ、これは王国に行ったとき、王様に頼んだの。勇者の旅に必要なものは支援するって言ってたから、ちょうどいいでしょ?」


「……それって、つまり税金じゃん」


「そうね」


 悪魔だ。


「勇者様、エリカさんは随分と、アレな方だったんですね」


「ま、そうだね。僕達で何とかしてあげよう」


「おい。聞こえてるわよ。ったく、話を戻すわよ」


「ラスベス!!」


「行かないっつってんでしょ?!」


「まあ、わかってたけどね! はははっ!」


「なんなのよ……。とりあえず、今日は国境を越えた先の宿ね」


 国境を超える?!


 マジかよ。

 日本から出たことなかったけど、異世界で国境超えちゃうの?! やっべぇな。


「ほほう。国境を超えますですか。一歩ずつ、魔界に近づいていきますです」


「そ。じゃあ、行きましょうか」


 完璧に仕切りはエリカちゃんで定着していた。

 それを見て、モルちゃんは小声で耳元に話しかけてくる。


「いいんです? 勇者の地位が脅かされると言うより、既にないですよ?」


「これでいいんだ。ほぼ主従関係だし」


「……なるなる。そういう趣向が勇者様好みなのです?」


「それは断じて違うから」


「二人とも、なにしてんのよ! いくわよ!」



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 勇者の力というものは恐ろしい。


 国境は関所になっていた。いかにも強そうな鎧の番兵が立っていたのだが、勇者一行と名乗ると、彼らは僕に「剣と盾をお見せくださいますか?」と言ってきた。


 これを質に出さなくて本当に良かったなぁ。


 なんと剣と楯には王家の紋章なるものが刻まれているらしく、それを確認した瞬間、あの厳つい番兵が、眉間に深い傷跡のある番兵がだよ? すんなりとよけるじゃないの!


 いやぁ、本当に勇者ってすごいな。うん。

 これでモテないわけがない。イケメンだし!



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「――はい、勇者の借金増やしておくわよ」


「あざっっっす!」


「勇者様がここまで惨めだとは。想像の斜め上をいくです」


 国境を越えた先の宿に着いた僕らは、すでに日が落ちていることもあって泊まることにした。


 もちろん、僕の分の宿代はエリカちゃん持ちで、借金が増えた。


 隣で会計を済ませるモルちゃんにも引かれていたが、些末なこと! 先程までは国境越えの件もあって尊敬の眼差しがあったが、今は皆無さ。

 そう、僕は器も大きいのだ。


「ふっふっふ」


 完璧じゃん! 勇者完璧じゃん!


「ほら、行くわよクズ」


「あいあい!」


「実にカオス、なのですよ」


 こうして勇者は借金を増やした。

 しかし、レベルは一向に上がらないのであった。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ