番外編 『100話記念』
おかげさまで100話に到達致しました。
ありがとうございます!
読んでくださる方々に感謝を込め、番外編を書いてみました。
本編とは関係ない話ですので、多少キャラ崩壊してます。
以上をご理解の上で読んでいただけると幸いです。
「えー、グラス行き渡ったかな? では、乾杯!!」
『乾杯!!!!』
ここは何処かのパーティー会場。
目覚めると俺や勇者、そしてサキさん達に加えて勇者の仲間や見知らぬ人達、それから死んだはずのオーガやハーピーまで参加していた。
うん、きっと夢だな。盛代な夢オチだ。
「魔王様、今日はめでたい日ですね」
「サキさん……め、めでたいのかな? さっきは言われるがままに乾杯の合図をしたけど。そもそも、ここはどこなの?」
「魔王様……もしかして既に酔っていますか? ここは魔王城ですよ?」
魔王城……しかし、あそこに勇者がいるんだけど。
「あれは?」
「勇者ですね。彼らも招待しないといけませんから」
さも当然のようにサキさんが笑っていた。
そういうものなのか?
俺が戸惑っていると、勇者と小さな黒髪ツインテの少女が、こちらに近づいてきた。
「よっ、ここは最高だな。可愛い子と酒がセットじゃん!」
「勇者様、飲み過ぎるとエリカさんに殺されるですよ?」
「大丈夫だって。僕はかつて、イッキの神と呼ばれた男だよ? 女に酔っても酒には酔わないのが僕さ!!」
「頭が酔ってるです。それと、決して真似しないように」
「誰に言ってるの?」
「オーディエンスですよ」
「それ、どっかで聞いたことあるなぁ」
随分と息のあった会話だな……。
何故か、隣でサキさんが悔しそうにしている。
「んじゃ、またな」
「……あいつ、何がしたかったんだ」
話すだけ話して帰っていった。やっぱりあいつとは相性が悪そうだな。
「魔王様ぁ~」
勇者に気をとられていると、フワフワと浮かんでセイレちゃんがやって来る。彼女も他の参加者同様にきらびやかなドレス姿だった。
「セイレちゃん、どうしたの?」
「そろそろ記念パーティーの目玉行事、だそうです。い、一緒に見ませんか?」
そう言ってセイレちゃんが顔を赤らめる。
「セイレーン、随分と挑発的ですね。私の目の前で」
「さ、サキュバス様の前だろうと、関係、ないです」
「なっ――」
二人がバチバチと火花を散らし始め、俺にはどうすることも出来なかった。
そんな風に慌てふためいていた中で、記念パーティーの目玉行事らしきものが始まろうとしていた。
バツン――。
照明が急に落とされ、どこからともなくスポットライトが勇者に当てられる。
「はい注目! そろそろ、イベント始めるから注目!」
そう言って勇者は謎の板をバニーガール姿の女性に運ばせる。
その板には1から10までの数字と、数字の横に空白が書いてある。
「題して、キャラクター人気投票!!」
人気投票?!
聞いてないぞ。いや、夢だから当然だけど。
だが、勇者がやけにノリノリで気持ち悪いな。
「魔王様、いよいよですね。自分、第六章で魔王様を覚醒させる重要な役割でヒロインに繰り上げされたので、実は自信あるんです!!」
「そ、そうなんだ……」
セイレちゃんがやる気だ。
いつものセイレちゃんじゃない。
「でもその反面、サキュバス様は苦戦必至ですね。活躍ゼロですから」
いつものセイレちゃんじゃないッッ!!
サキさんは何も言い返せずに歯ぎしりしている。
しかし、人気投票か。
こういうの結構気になるんだよな。
「ではまず10位! エリカちゃん!! 可愛いけど性格が残念すぎる。との意見が多いですねぇ」
「なっ、勇者! これはどういうことよ!!」
「え、エリカちゃん?! これ僕の意見じゃないって!!」
誰?
あ、あの赤い髪の人みたいだ。猛烈に勇者へと抗議している。
「つ、続きまして9位は、デュラハン! 理由は魔王への忠誠心だそうです!」
「人気など要らぬ。魔王様の信頼があれば……信頼が」
デュラハンさん、何気にショック受けてません?
しかしこれはヤバイ。魔王として、例え夢でも負けられない!
「どんどんいきましょう! 8位は雪女! ミステリアスな一面が良いとの声が多いですね。7位はフェニックス! 仕草が可愛い、娘にしたいなど、危険な意見が多いみたいです」
適当すぎね?
二人は嬉しそうだけどさ。
「魔王勢ばかりがランクインしてますねぇ。おっ、続いての6位は意外な人物、回想で数回しか登場してない魔王の幼なじみ!! 羨ましいな、このやろう!」
まさか、クルミがランクインしてるとは……あとはトップ5か。
「5位はミノタウロス! わがままボディーが大人気だそうです!」
「ま、魔王様、わたし5位ですよ! 嬉しいです」
そう言って喜ぶと、ミノ子さんの胸も揺れている。
わかる。投票した連中の気持ちはわかるぞ。
「次は4位、おっとここで勇者一行のマスコット、モルちゃんの登場だ!! いるといないのとでは違う等の玄人的意見が多い!」
「ま、当然ですよ。わたくしの魅力です」
さっきの子か。
あれ、待てよ? 残ってるのって三人。
嫌な予感がしてきた。
「3位はセイレーン!! 成長する正統派ヒロインとしての呼び声や第六章での活躍が印象的だったようだ!!」
「や、やりました! 魔王様っ!」
「おめでとう、セイレちゃん」
セイレちゃんの読み通りになってる。
更に嫌な予感が……。
「次に2位! サキュバス!! 秘書にほしいとの意見が多かったようだ!」
「ふふん、当然です。どう? セイレーン」
「悔しい……!」
終わった。
感覚的に、ここで目覚めるべきだろうと悟った。
「そして栄光の1位は――!」
溜めすぎだろ!!
「この僕、勇者! 勇者様最強、カッコいい、付き合いたい等の意見が大量です!!」
ほらね。
「ちなみに魔王はウジウジしてて圏外のようです!」
グサアッッ!!
心に刺さる言葉で、俺は膝をつく。
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「――!」
目覚めると、そこはいつもの寝室だった。
部屋を見ると、不気味な色のしたお香が隅に置いてあり、香りが充満していた。
サキさんが勧めてくれた物だけど、明日返そう……。
俺はもう一度、眠りにつくことにした。




