第24話
4連投4話目です。
これで1章は終了となります。
これから先は悪魔の尻尾さんと話し合った結果、リアルの事情から不定期更新となる可能性が高いです。
1ヶ月に1話更新する程度には書きたいと思っていますが、別の作品も書きたいので難しいかも知れません。
この作品はあくまで習作として書いたものですが、思い入れはあるのでなんとか完結させたいとは思っています。
盗賊団討伐改め、リザードマン及びアースドラゴンの討伐から数日が経った。僕達は今、王都バグザムの北門にいた。
「本当に行ってしまうのか?」
「はい。お世話になりました」
シエラさんが名残惜しそうに声を掛けてくる。
改めて見るとこの人はかなり美人だ。修行の時は鬼のように怖かったけど。
「もう少しぐらいゆっくりしていけばいいのに」
「俺の現実世界はあっちなので、できることなら早めに帰らなければならないんです」
シエラさんの隣に立っていたアーティルさんも僕達を引き留めようと声をかけてくる。
ただ、これは社交辞令のようなものだろう。僕達の決意が固いのは彼らも分かっているはずだ。それでも、分かっていても声を掛けてきてくれるのは、本当に僕達のことを『仲間』だと思ってくれているからなのだろう。
それが素直に嬉しくて、僕は笑顔になる。
「いっそのことこっちの世界で暮らせばいいのに」
「もしも帰れる方法を見つけたなら、それも考えてみます」
ヒエクラフトさんからは思いもよらない提案が出た。カナタは「考えてみる」なんて返事をしたけど、実際カナタはこの世界を楽しんでいる節があるので本当に残ってしまいそうだ。そうなったらどうしよう。
「君達を色々と巻き込んでしまってすまなかったな。また機会があったら立ち寄ってくれ。いつでも歓迎する」
「ありがとうございます」
ダオスさんからはある意味で予想していなかった言葉が掛けられた。こんなに普通の挨拶をしてくるとは正直思っていなかった。非常識な人だと思っていたのを心の中で詫びる。
そして、僕達は騎士団の人達に手を振りながら門を出た。そして、目の前に見える見覚えのある人影。クルジオ家本家の長男であるレイダーさんだった。
出発前にレイダーさんに、山を越えた麓まで転送してくれと僕が頼んだのだ。この人に頼むのは苦渋の決断だったけど、一刻も早くカナタを元の世界に返すために手段は選んでいられない。
「……レ、レイダーさん。お願いします」
「………」
レイダーさんは僕の事を露骨に睨みつけてくる。怖い。普通に怖い。やっぱり頼まなければ良かったかもしれないとちょっと後悔した。
仏頂面のレイダーさんは無言で魔法陣を発動する。その上に僕とカナタで乗る。
転送が開始されてから十秒足らずで目の前の景色が切り替わる。転送完了だ。
「さて、こっからは歩きだっけ?」
「うん。ケイロルまでは長いから、途中の街で一泊しよう」
レイダーさんの視線がなくなった開放感でかなり清々しい気分だ。少しの間だけだったのに、精神的には凄く疲れた。
「帰れる方法見付かるかねぇ」
「なんとかなるよ」
「ま、なんとかするしかないか」
そんな呑気な会話をしながら、僕達は遠目に見える街に向かって進み出した。
空は快晴。絶好の旅日和。
晴れ渡る空は僕達の未来の明るさを暗示しているようだった。




