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異世界転送  作者: 画谷とをり
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第11話

本日2話めです。前回更新出来ていなかった10話を更新しましたので注意してください。

 カナタが魔法陣に触れ、消え去ってから数分。驚きのあまり固まっていた皆がようやく動き出す。


「は、早く追わないと!」


 慌てふためいた僕はカナタを追いかけなければ、と言う使命感に襲われていた。

 手を伸ばして魔法陣に触れようとした、がそれは叶わなかった。


「どういうつもりですか、シエラさん! そこをどいて下さい!」

「ダメだ」


 僕の目の前にはシエラさんが立ち塞がっている。何故どいてくれない。何故助けに行かせてくれない!


「何でですか! 早く……早く追わないと! カナタが死んでしまうかもしれないんですよ!?」

「だからといって君を行かせるわけにはいかん。何があるか分からない以上、これ以上の戦力の分散は避けるべきだ。それに、君は行ってどうするつもりなんだ?」


 どうする? そんなのは決まっている。


「カナタを連れ戻してこの洞窟から出るんです!」

「カナタ君がこの洞窟内にいるとは限らないだろう」

「え?」

「恐らくあの魔法陣は対象を転移させるものだろうが、なぜ同じ洞窟内に転移すると思った? 外の森や全く別の大陸に飛ばされている可能性もあるんだぞ」


 少し、熱くなりすぎたようだ。完全に混乱していた。いつもならそれぐらいの事は簡単に考えつくはずなのに。


「すみません。でも、この洞窟内にいる可能性は高いですよね?」

「あぁ。だから、アーティルを探すのと同時にカナタ君も捜索しよう。まずは準備を整えてからだ。と言ってもすぐに終わる。人命救助は時間が命だ。早めに支度をしよう」

「はい」


 騎士団の面々がテキパキと荷物の確認などをしていく。邪魔になりそうな道具などは置いていくらしく、色々な道具が洞窟の端に積み上げられていった。


「隊長! 準備が整いました!」

「よし! では、早速行こう」


 そう言うやいなや、シエラさんはすぐに魔法陣に触れる。だが、魔法陣は一切の反応を示さなかった。


「ん? おかしいな? まさか、この魔法陣壊れたか?」

「魔法陣が壊れるなんて聞いたことありませんが……もしかしたら魔力が足りないのかも」


 今更ながらに気づいたが、カナタが魔法陣によって消えてから辺りの魔力が随分と薄くなっていた。となると、この魔法陣は周囲の魔力を利用して起動する型のものだと思われた。


「うーむ、しかし困ったな。一刻を争う事態だと言うのに、先に進めなくてはどうしようもないぞ……」


 シエラさんが深刻そうな表情で呟く。その声はあまりにも力が篭っていなくて、相当精神的に参っているのだということが感じられた。


「隊長、一度この行き止まりまでの道を隈無く探して見てはどうでしょうか。隠されている通路などが見つかるかもしれません」

「確かに、な。今はそれしか取れる手段がないか。よし、それでは皆、洞窟内の探索に取り掛かろう」

『はい!』


 シエラさんの号令と共に騎士団の人たちが揃った返事を返す。返事をした後はすぐにそれぞれが散っていった。


「セルジュ、君には魔力的な観点から洞窟内の探索を頼みたい。我々騎士団が文字通り手探りで作業するだけでは見落とす場所があるかもしれない」

「分かりました。僕もカナタを助けるために是非協力させてもらいます」


 そうシエラさんに返事を返した瞬間の出来事だ。


「うゎぁぁぁぁぁあ!!?」

『ッ!?』


 突然、洞窟内に悲鳴が谺響する。いきなりの出来事にその場にいた全員が驚き、そちらの方向を見た。

 いや、正確には全員ではなく悲鳴を上げた人物以外は、と言った方がいいだろう。


「そんな……レクス、おい、嘘だろ、なぁ!?」


 騎士の一人がそう声を掛ける先にあったもの、それは串刺しにされた仲間だった。

 上下左右どころか四方八方から槍が飛び出てきて、全身を串刺しにされている。しかも、槍は空中から飛び出していた。


「これは……クソッ、空間系の罠か!」


 シエラさんが串刺しにされた騎士に近寄り、罠に対して悪態をつく。きっと今、シエラさんはこの罠を作った存在に対して僕が想像もつかない程の怒りを抱いているのかもしれない。


「隊長、どうします。 このまま探索を続けますか?」

「あぁ。もちろん続ける。ここまで無理矢理お前達を引っ張って来た挙げ句、無為に命を散らさせてしまった。お前達には悪いが、レクスの命を無駄にしないためにも私にどうか力を貸してくれ

「もちろんです。我ら一同、隊長には返しきれぬ程の恩がありますから。きっとレクスも無念には思いながらも隊長の部下として死ねて本望でしょう」

「そう言ってくれると助かるよ。ありがとうクラマス。それでは、探索を続行しよう。空間系の罠があるとわかった以上無闇に動かない方がいいな。セルジュ、悪いが頼らせて貰うぞ」

「はい。僕も目の前で人に死なれると気分が悪いですし絶対に罠を見破って見せますよ!」



 気合いは充分。早く先に進む方法を見つけてカナタとアーティルさんを助けないと。手遅れになる前に。


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