木 木 木
今回少し短いです。キリがいいので切りますがご了承下さい。
地面の硬さに目を覚ますとそこは森の中だった。
そう。見渡す限りの木々の中で仰向けに倒れているのだ。
「ここは...」
森の中に寝ている。都会生まれ都会暮らしの私にはそれこそゲームの様な光景だ。しかし私の感覚はゲームでは無いと訴えていた。
少し乾いた喉が。空気の香りが。そして視野の端にHPバーが見えない事が。
ここが現実であると知覚していた。
上半身を起こして周りを見渡す。でも見渡す限り木 木 木。混乱した中でふと気づいた。
私は今黒の軍服を着ている。第二次世界大戦当時のナチス・ドイツの様な黒の軍服に、それに合わせたスカート・靴を履いている。よく着慣れた服だ。
視界の端に入る髪も綺麗な銀髪をしている。肩に葉が付いているが...
もちろん分かっている。私は現実でもこんな格好をしている訳ではない。当たり前だ。こんな格好で大学に行ったらただのコスプレイヤーだ。髪もバイトのために染めていないから黒髪のはずだ。
私は軍事オタクとかゲーマーとか言われる事がある。自覚はしたくないが否定は出来ない。漫画やアニメも見るし小説も読む。
今自分に起きてることを考えればSFの様な出来事だがその答えに行き着く。
---「異世界...」