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第八話 「魔王覚醒」

「魔王様・・・」

その声に目を開ける

目を開くとすぐ前に抱きつく女・・・若干臭が気になるが

メティさんがいた。

「今のって・・・」

「初ちゅーです!」

「あ、うんソレじゃなくて」

「!?私の初ちゅーがソレあつかい!?」

俺の発言に大げさなショックを受けたように絶望しているようだ

いや、俺も初チューだけどさ・・・なんか恥ずかしいから言えないよね。


「魔王様・・・その、どうですか?」

「あ、うん柔らかかったよ?」

「きゃ☆・・・いえ、そうでなくて」

「あーうん。たぶん大丈夫なんじゃないか?」

「成功。・・・したということでしょうか」

「うん、まぁ。ただ」

「うひょおおおお!俺たちの目の前でなにイチャついてんだコラァ!」

「ふざけんじゃねぇぞ!あぁ!?」

「女と接吻だとぉおお!?」

いきなりの怒声にふと目を向けると、頭からはやしたモヒカンが赤く染められ

正に「トサカに来たぜ!」と言わんばかりのモヒカンがこっちを指差していた。

「羨ましすぎだろ!ふざけんなよ!」

「兄貴!心の声が出てます!」

「そ,そんなことしたら堕天しちゃうっすよぉ!」

え、キスで堕天すんの?

それは・・・きついわ。

「いや、でもどっちにしろ俺らモテないから堕天の心配ねぇっすよ」

「「悲しすぎるだろ!ヒャッハー!」

そうでもなかった。

でも、なんかヒャッハーっが心なし寂しそうに聞こえる。

「どっちにしろ!」

「お前らは大罪の一つ『色欲』だ!」

「ぶっつぶしてやんよ!」

「「「ヒャッハーーーーーーー!!!」」」

その叫びに合わせて両手に出現した輝く手斧を間髪入れずに投げてきた。

目の前でいきなり投擲された手斧は今までと違い正確に俺に向けて飛んでくる。

「じゃぁ、お前らは『嫉妬』に『憤怒』あたりか?」

数は六つ、今までの俺ならこれは避けれなかった。

たぶん、これで死んでいただろう。

でも、今の俺は違う・・・と、思う。

俺は徐に肩の上あたりまであげた握り拳を

前に突き出した。

ドンッ!

それは何かが衝突したような音だった。

音的には4tトラックが衝突したような感じだろうか?

その音がした瞬間飛来した6つの手斧はバッティングセンターのボールのごとく反対方向へ向きを変え飛んでいった。しかも倍の速度で。

「「「うわぁつ!!」」」

咄嗟に横に跳んだり、海老反りになって回避するモヒカン。

跳ね返った手斧は数瞬前まで自分の頭があった場所を通過し、壊された窓からそれへと飛んでいく。

キラーン☆

六つの星が光った。

それは傍からみたらただ青年がてお前に出しただけのようにしか見えない

だがそれの直後、投げた手斧が跳ね返ってきたのだ。

良く分からない現象が起き、もはや部屋だったのかわからない、ほとんど廃墟となった俺の部屋はシーンとした沈黙に包まれ

「す、すごいです!魔王様!素晴らしいです!」

「な、なにしやがる!」

「あぶねぇ!」

「あー!俺のモヒカン短くなってる!」

4つの声が同時に叫ばれた。

「ほー、なるほど。こう使うのか・・・」

俺は突き出した右手を戻して目の前でグーパーしながら感触を確かめる。

「てめぇ許さねぇ!」

「次男のモヒカンの敵討ってやる!」

「覚悟しろよ!」

完全に言いがかりだった。

「「「ヒャッハー!!」」」

怒りのヒャッハーとともにまたも投擲される手斧x6

俺は一歩前にでてまた手を突き出す。

ドンッ!

衝撃音。

「「「ワァオッ!」」」

笑劇音。

じゃない叫び声!

またも跳ね返る手斧をしゃがみ回避するモヒカンx3

一歩前にでる。

それを、ビクッっと肩を震わせてこちらに目を向けてくる。

また一歩、歩みを進める。

「ひっ!」

「く、くるな!」

「アワワワワッ!!」

そして、またも出現し投擲され、

ドンっ!

跳ね返される。

「な、なんだ!?」

「こっちくるな!」

「マ、ママ・・・」

見れば三人の顔色は真っ青だ。血の気が引くとはこういう状態を言うらしい。

右のモヒカンは皮パンツからジョバーっと液体が染み出ている。

真ん中のモヒカンに至っては・・・臭い。

ひどい臭いだ。

それを不快に思いながら一歩また歩みを進め。

「た、たすけて!」

「許してください!」

「靴舐めます!」

目の前に立つ俺に顔面蒼白で丸まって必死に命乞いするモヒカン三人を見下ろし

俺は思いっきり右腕を引き絞り

「いいからもう帰れ!!!」

放つ。

ドカーンッ!

今までで一番の衝突音と共に、目の前で丸まっていた三人がものすごい速さで壁を破壊して空へと飛んでいく。

三つの光の筋を引き空を突き抜けて天高く飛んでいく。

その間にも重力に逆らうかのようにどんどんと加速していき

キラーン☆

星になった。



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