第十七話 「魔界ふしぎ発見」
随分間を開けちゃった・・・
はい、目の前に広がるこの広大な草原
都会ではお目にかかれない天然芝のような絨毯に目前に広がる森
遠くに目を向ければ山々が見えるこの自然豊かな場所
今私たちは『魔界』へとやってきています・・・。
「あ、魔王様スーパー○しくん」ってどのタイミングで使えばいいですか?」
「問題が出てからここぞというときに使えばいいんだよ」
「なるほど!では!ここで使いますね!」
「まだ問題だしてねぇよ!」
某TV番組の司会風に歩を進めるめる影が2つ
一人は白の半袖Yシャツにジーパン
一人は頭まですっぽりかぶったローグ姿
背には某スーパーのひとつ999円のリュックサックを背負草原をとことこ進む。
「しかし熱いな」
「ですねー。このサマーな次期はどうしても気温上昇ですからー」
「だが、まぁ、日本よりましか」
「人間界は暑いですよねーおかげで汗臭く」
「うわっくっせ!近寄るなカスが!腐敗する」
「酷い!まだ腐ってはいません!」
「まだ、なのかよ」
「はい!」
「・・・」
「・・・あれ?叩かないのですか?」
「・・・」
「・・・あ、無視ですか?まぁ、これはこれで!」
「・・・きも」
「ぁーーーーーん!なんか目覚めそう!」
俺は心底気持ち悪くなったおかげで若干暑くなくなった気がして前を向いて歩を進めた。
てくてく無言で歩く事が出来ない俺たちはべちゃくちゃどうでもいいことを話しながら歩く
「そもそもさぁ。こう?魔界!って感じしないよなここ」
「と、いいますと?」
「こうなんていうの?魔界!とか地獄!ってさ。空は紫色で木々は葉がひとつもな枯れて、池や川は毒の沼で・・・腐一本生えてないで其処らじゅう魔獣とか死体のやまで・・・」
「なにそれこわい」
「いや、そういうイメージなんだって」
「魔王様はほんと天使のようなお方ですね!恐ろしすぎます!」
「なんか、混乱するぜ」
「まぁ、たぶんですけどそのイメージは天界が流したプロパガンダ的なデマですねぇ」
「あぁ~やっぱそっちけいか」
「ま、魔獣は跋扈してますが・・・それ以外は」
「え・・・魔獣いるの?」
「いますよ~」
「・・・」
「・・・?」
「・・・え?ヤバクね?」
「実際やばいですよ。天使と魔獣両方の被害で生活はガタガタですよ」
「・・・むぅ、対策とかはしてないのか?」
「そりゃ、してますが・・・やはり天使兵の問題でそちらに回せる余力が少ないのが現状です」
「・・・そうか」
最初にこの汚んなが行っていた通り・・・ここは滅亡寸前らしい。
「とりあえずどうしますか魔王様」
「ん~・・・お前の方位磁石で方向はわかるんだ。そっちに行ってみよう」
「は~い」
てなわけで進むことはや30分
先程から一向に景色に変化はありません。
聞こえるのは風になびく草の音とバリバリとポタポタ焼きを貪るメティルの咀嚼音のみ
「・・・」
「バリバリバリ」
「・・・・・・」
「バリバリバリバリバリ」
「ってうるせぇよ!どんだけ歩きながら食うきだぼけが!」
俺はすかさずメティルの頭を叩く
「あいたぁ!いきなりなにするんですか!」
「いきなりって・・・おまえ」
「なんですか!ポタポタ焼き食べちゃダメなんですか!?誰かに迷惑かけてるんですか!?」
「い、いやさ」
「なんなんですか!何が悪いって言うんですか!私はただ魔界にはないこのあまじょっぱい至高のポタポタ焼き食べてるだけですよ!」
「わ、悪かった」
「ホントですよ!まったく!これだから・・・・・・ばりばりばり」
「・・・」
俺は何とも言えないもやもやを抱えながらまた歩いた。
そんな時である。
ガサガサガサっと草原の草をかき分けるようにそいつは現れた。
「な!」
「ま、魔獣です!魔王様!」