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第十一話 「そもそもの疑問②」

「魔王様、魔界をお救いください」

目の前で土下座するように蹲る女を前に俺は・・・

「いや、・・・そもそも、なんで俺なわけ?」

俺は戸惑いと疑問が口から出るのを止めることができない

「だいたい魔王とかさ・・・意味分かんねぇよ?」

それはどんどん水が溢れ出る噴水のように

「そんな、・・・魔界とか、王位継承とかさ・・・つかさ」

蛇口の壊れた水道のように

「俺ただの大学生だしさ・・・つかさ」

「あ~もううざいなぁ」

「ぇ」

目の前の女からなんか聞こえた気がする

「いまなんつった?」

「いえ、何も申しておりませぬ」

「口調おかしいだろ」

「いえ、魔王さまにおかれましてはお日柄もよく」

「うん、会話噛み合ってないよな」

「・・・・・・・ちっ」

「そこで舌打ちかよ!」

「もぅ!魔王様!」

「はい!」

いきなりばっと顔を上げた口の悪い女はこちらを真摯な目で見つめ

「足がしびれました!」

ガクッと俺は膝から力が抜けた

足を崩した女はさわさわと苦悶の表情を浮かべながら自分の足を撫でていく。

「いや、分かりますよ?魔王様もいきなりで戸惑うって・・・でもうざいです」

俺は今までの苦悩?や混乱をバカにされたような・・・いや実際馬鹿にされ

足をさすっていうる女の伸ばしている足を踏みつけた

「はぅあああああああああああああああ」

目の前に痺れにのたうち回る女をみながら俺は若干溜飲を下げる。

「ついカッとなってやった、反省はしていない」

「そこはあやまってくださいよ!」

目の前には涙目でこちらを睨みつける女

「あぅああああああああああああああ」

俺は再度足を踏みつけた。


「で?情勢はなんとなくわかったが・・・まずなんで俺なのか説明しろ」

「うぅ~はぃ。わかりました。」

こほんと姿勢を正し咳払いする女を前に俺も聞きの体制をとる。

「まず、説明するにはこの世界の層と2000年前の戦争から説明しなければなりません・・・。」


この女の話す内容はこの科学にあふれる世界の常識を根底から覆す様な話だった。

まず、この世界は実は3層からなっているらしい。

1つ目人間界、これは今俺たちがいるこの世界を指す。

2つ目天界、これは天使や神といった神話や宗教に登場する神々の世界。天国とも言われる。

3つ目魔界、これはこの女や悪魔とかそんな存在が居る世界らしい。地獄とか言われる世界。

これら3つの世界は位相がズレており知覚することはできない。

言うなれば異世界と言ってもいいが、一つの世界でもあるためそれも若干異なる。

事の起こりは二千数百年前らしい。

天界はほかの2世界へ扉を開くことが可能になった。

そして、間髪入れずに天界は派兵する。

理由は定かではない。だが魔界側はいきなり空が割れ出現した天兵に蹂躙されたらしい。

だが、魔界側も前魔王の元すぐに体勢を立て直し反撃に出る。

次々現れる天兵を押し戻し戦線は拮抗し、小競り合いがつづいた。

そして、長きに渡る戦争に終止符を打つべく和平が為さられることとなった。

両陣営は戦争による被害が深刻でそれはすぐさま席がもうけらることとなる。

だが、土壇場で天界は裏切った。

和平集結間際、天界側の放った特大の範囲攻撃魔術により魔界側の名を馳せた貴族が消滅したらしい。

その魔術はそれまでの天界側の使う神力とは違うものだった。

後の調べでその魔術は人間界の生物の魂を糧に放つものらしい。

そう、天界側は人間界にも扉を開きその魂を持って魔界側を攻撃した。

魂を刈り取ったのは「悪魔」がした事として。

勝って官軍。

天界の奴らは人間に自分は聖、相対するは悪と洗脳に近いものを行い、天界側は人間の魂と信仰心からなる攻撃魔術を次々に繰り出した・・・。

魔王は捕らえられ、魔界側は瓦解した。

「魔王様は処刑される直前、二千年後私は復活する!と叫び散っていったのです」

「・・・」

「そしてその魔王さまの生まれ変わりが!なんと魔王さまなのです!よ!魔界一!」

俺は自らを落ち着かせるため目の前の女の頭をスパーンと叩いた。

「理由になってねぇ!」

俺の叫びはこだまする。


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