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きょろきょろ

作者: ねごとや

 ああ、今日も地下鉄混んでるな……

 電車で取引先回るのも楽じゃないが、お前も俺との同行にも随分と慣れてきたな。そろそろ、一人で顧客周りも大丈夫だろう。

 ただな、お前を見ていて、ひとつ気になっていることがある。

 いや、そんなにかしこまらなくてもいい。電車の中だしな。それに、仕事の中身の話じゃないんだ。

 お前、確か、言っちゃ悪いが、大学は田舎の方だっただろう?

 そのせいもあるんだろうが、お前、電車の中できょろきょろしすぎ……

 あまり、お互いのことには干渉しないのが、都市生活者のマナーのひとつだぞ。

 それにな、いま俺達が乗っている地下鉄……いつも乗客でいっぱいだろう?

 客の中にどんなやつがいるか、分ったものじゃないぞ……って、言ったそばからきょろきょろするなってば!

 それに、地下鉄って、どうしたって真っ暗な中を走っていくだろう?

 お前みたいな若い奴からすると、笑い話のネタにされそうだが、俺は時々怖くなることがあるんだよ。

 この闇の中、いるのは本当に”俺達”だけなのか……ってな。

 さっき言っただろう?これだけ、乗客が多かったら、少々変なのが紛れ込んできても分るものじゃないって……

 ん?どうした?急に顔色を変えて……何に怯えているんだ?

 おい、おい、だから、言ったろう?

 何を見たのか、見当はつくが、あまりきょろきょろするなって……

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