表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/25

素材市場

まずは。

新たな金儲け出来る方法を探さなくては。

私が出している改善案は、確実に領地を強くする。


だが――地味だ。そして、長期目線。

水路補修も、農具改良も、倉庫効率化も。

成果が出るのは数年単位。

今すぐ金が増える訳ではない。

予算に余裕が無いのなら。

目先の金を、稼がなくては。


私は文官に告げた。


「素材市場を見に行くわ」


「……市場、ですか?」


「ええ。魔物も含めた素材市場」


文官の目が、僅かに曇る。


「荒事の連中の集まる場所です」


「だからこそ、よ」


知らなければ、判断も出来ない。


数日後。


私は護衛と文官を伴い、領都の外れにある素材市場へ向かった。

通常の市場とは違い空気が重い。

鉄と血と、薬草の匂いが混じる。

木箱に並ぶのは、日用品ではない。


牙。角。鱗。


魔石らしき半透明の塊。乾燥させた内臓。

そして、巨大な獣皮。


私は足を止めた。


分析。


魔狼の牙:硬度高。加工適性中。

炎蜥蜴の鱗:耐熱性高。

魔石(小):魔力残滓微量。


なるほど。

素材そのものの価値は、確かにある。


「随分と、雑ね」


思わず呟いた。

保管方法が甘い。湿気対策も不十分。


分類も曖昧。価格表示もばらばら。

文官が眉をひそめる。


「荒事の者達ですから」


「違うわ」


私は首を振った。


「仕組みが無いのよ」


討伐。持ち込み。その場で売却。

終わり。流通の最適化がされていない。


加工の分業も弱い。付加価値が低い。


例えば鱗をまとめて耐熱板として加工すれば?

牙を規格化して武器部材として販売すれば?

魔石を用途別に分類し、価格を安定させれば?

単体素材ではなく、製品として売る。

そこに利益が生まれる。

私は一つの魔石を手に取った。


分析。


不純物多。魔力効率低。


もし、選別技術があれば?

純度ごとに分けられれば?

価格は変わる。


「……面白い」


文官が怪訝そうに見る。


「何がでしょう」


「伸び代よ」


彼は小さく息を吐いた。


「冒険者の市場に、そこまで期待を?」


軽視。やはり、そこに壁がある。

素材は、金だ。

魔物は脅威であると同時に、資源でもある。


効率的な討伐。

安定供給。

加工の最適化。


そこまで整えば、一つの産業になる。

私は市場を一通り見て回った。


数量。品質。流通経路。粗い。


可能性はある。


「加工場はあるの?」


「簡易的なものは」


「専用施設は?」


「ございません」


やはり。ここだ。

私はゆっくりと息を吐いた。


目先の金。長期内政とは別軸の柱。


もしかすると答えは、ここにあるかもしれない。


市場の喧騒の中で私は静かに、次の一手を考え始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ