戦い
「ほう、人間か久しぶりに見たな」
「お前がボスか?」
「ああ、それならどうする?」
「お前はこのゲートから出る方法を知っているか?」
「知っているとしたら?」
「倒してでも出る方法を話してもらう」
「そうか、なら倒してみろ」
俺は日本刀をイマジンの力で持ち出して、斬りかかった。
ホロウレインはいとも簡単にそれを交わした。
俺は脚力を強化しているので普通の人間の何倍ものスピードだったはずだし、大抵のモンスターならこれで瞬殺だったが流石ドール系最強格だ。ドール系はモンスターの中でも最強だ、モンスターは人間に近づけば近づく程強くなる人語を話せるとなれば尚更。
「これで倒せると?」
背後に周ったホロウレインに気をとられて背後に向かって刀を振るがそこにはいなかった。
「つまらん死ね」
また背後から声が聞こえたと思った瞬間に、背中から鋭い爪で裂かれた。
「ん…」
意識が消えそうになりながら俺は倒れた。
「だめか」
「これで倒れるとは、弱いな」
『これで終わるのか?』
「光牙、こんな時は出てきてくれるのか?」
『ホロウレインと相対したんだ満足だろ』
「いや、俺はゲートから出たい」
『出て何をする?』
「出たら美味いもの食いたいな~」
「それだけか?」
「ああ、此処に入った時の俺はデブだったろ?」
『ああ、醜い程にな』
「それだけ食事が俺の幸せを感じれるものだったんだよ」
『人間とは愚かだな、それが原因で醜い姿になると分かってるのに』
「そもそもストレス爆食でな、此処の肉より美味いぞ~」
『俺は食えん』
「分かってるよ、でも俺はなんとしても出たんだ」
『食事以外では?』
「何が?」
『出たい理由だよ』
「そうだな、家族に会いたい」
『それだけか?』
「ああ、家族以外に会える人も数える程しかいないしそれに…」
『それに?』
「俺がこうなったのは…」
『なんだ?』
「いやいい、これを出来るとしたらあいつを倒さないといけないからな」
『本気でやるのか?』
「もう本気だったよ、でも俺の攻撃は届かなかった」
『それで諦めるのか?』
「諦めないさ、ただ使えるものは使っていくよ」
『そうか、ならやってみろ』
光牙はいなくなった。
「この人間どうします?」
「ほっとけ、そのうち死ぬ」
「食ったらだめすか?」
「不要な反感は買いたくない、以前の人間とも約束した」
「ボスがそう言うなら仕方ないっすね」
モンスターの会話が聞こえて来た、俺はこいつらの餌にはならないらしい。でもどの道他のモンスターの餌になるのは変わりないのだが。
「まあ結局食われる運命だ、可哀想だな人間でもボスに楯突いたんだしょうがない」
下っ端のモンスターに担がれようとして手を出された瞬間に俺は日本刀で腕を斬った。
「うわー」
「なんだ?」
モンスターが一斉にこちらを見た。
「そのままいたらいいものの」
「まだこっからだろ」
「そうか、死ぬ準備はできてるか?」
「悪いけど死ぬ気はないな」