招待
夜も過ぎて久しぶりに自分の家でゆっくりお風呂に入って眠り疲れが取れた。
朝早く起きて体を起こし、リビングに行きベランダで煙草を吸う。
これから戦うことになる、最後の一本になるかもしれないので噛みしめて煙を吸う。
人間とモンスターの戦争と捉えても大袈裟でもないことも理解している、それ程危険な戦いになる、それを考えている時にスマホに通知が来たことに気づいた。
スマホを見ると
見覚えのない番号からショートメールが来ていた。
「なんだ?」
普段は無視をするがなんだか胸騒ぎがして開いてみた。
そこには真っ黒な画面の動画で不気味だったが、再生した。
「人間、お前は私が出会った中でもなかなか楽しめる存在だだから今度は本気で戦おう」
この声は忘れもしない、あの化け物だ。
『馬鹿からの連絡だね』
「お前は急に現れるな」
俺の隣に現れた九尾に声をかける。
『まあそんなに怖い顔をするな、良い知らせだ』
「良い知らせ?」
『ああ、私ならあの馬鹿の気配を察知して場所が分かるぞ』
「なんでそれを早く知らせない」
『今回は偶々だ』
「偶々?」
『そうだ、奴が封印を解いた時も感じたがそれ以降気配を隠していたから何処にいるかは分からなかった』
「つまり本格的に動き出したってことか」
『それもそうだけど、それ程興奮していると言うことだ』
「何をやらかすか分からないってことね」
『そうとも捉えられる、清明が命をかけて封印するしか方法がなかった相手だそれ相応の被害も想定しないといけないな』
「分かった、場所を教えてくれ」
そうして、九尾にスマホの地図アプリで場所を教えてもらった。
「御影様?」
ベランダの入り口から桐生が顔を出していた。
「どうした?」
「いえ、誰かとお話をする声が聞こえたので」
「電話だ」
「そうでしたか、少し早いですが朝ごはんにしましょうか」
「いや、用が出来た」
「どんな」
「話す程でもない野暮用だ、ただ帰るのは随分先になるかもしれない」
「そうですか、ではご飯を作って待ってます」
「頼む」
多分戦って死んだらそのままだし、例え勝っても俺は元の世界に帰ることになる。
だから行けばもうこの世界の人に会うことは出来ないだろう、ならこのまま誰とも一緒に戦わずに一人で戦って一人で消えるのが良いだろう、これは俺が生まれてハンターになった瞬間から定められていた運命なのだから、それも千年前から決まっていたこと。
なら俺の運命に他の誰かを巻き込むわけにはいかない。
「じゃあ行ってくる」
「御影様」
「ん?」
「必ず生きて帰ってきてください」
何かを察したのだろう、桐生は心配そうな顔をする。
「そんな顔するな、俺は必ず帰る、だから帰ったら俺の好物を作って待っててくれ」
「はい、食べきれない程、沢山用意してます」
「うん、その時は皆で食べよう」
「行ってらっしゃいませ」
桐生は頭を下げる。
俺はマイクロポータルを出した、きっと桐生は俺がこの世界の御影真一ではないことに気づいていたのかもしれない、でもそうだとしてもこの世界の御影真一は戻ってくる、なので帰る約束は果たせるだろう。
そしてマイクロポータルから出た場所はとある山だった。
此処は京都のとある山の頂上だった。




